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今何処(いずこ)-AB編-1/3

2007年11月21日 08:59

最近は仕事の忙しさもあって、皆さんのログを拝見だけして、たまにとなたかのログにコメントするだけでした。
色々と書きたい事はあるのだが、言いたい事を上手に伝える為の文の構成云々を考えているうちに段々その気が下降し、長い期間が過ぎてしまった。
今日は久し振りに書く気になったので、過去に会った一人の女性との経緯を。

それは私が二度目に香港赴任した時の事です。
前回の赴任は事務所設立が主体だったので、日本人二人と現地のスタッフ三人の計五人で始まりました。
でも私が帰国する頃には技術に二人採用し七人になっていました。

二度目はそれから六年が経過していて、日本人スタッフは四人、現地スタッフは十七、八人も居てかなりの所帯になっていたし、場所も変わっていたが以前の事務所の傍だった。

通常日本から赴任すると在任中の日本人全員と何人かの現地技術スタッフが空港まで出迎えるのが通例になっていた。
当時私は未だタクシー事務所まで広東語で行ける自身があり、事前に彼らの出迎えの断りを入れておいた。

空港を出ると以前とは大分様変わりはしていたが、周りの空気や耳に入る周りの声に一種懐かしさをも感じていた。

タクシーに乗り広東語で行き先を伝えると運転手は直ぐに納得し車は発車した。

車窓からの景色に昔の事を思い浮かべ眺めていた。
空港の近くは高さ制限もあり、昔ながらの古ぼけた低いアパートが隙間を惜しむようにひしめき合っていた。

車が中心部へ近付くにつれて、昔には無かった真新しい高層ビルが見え始め、年数の経過を感じさせた。

タクシーから降り、大きなすスーツケースとバッグを引きずりながら知らされていたビルに入り、エレベーターに乗った。

そのビルは十階建てだが事務所はその二階にあり、エレベーターから出ると直ぐ前が事務所の入り口だった。

入り口のガラスドアーを入ると狭い六畳程のスペースがあり、その前に受付のブース、その横にロックが掛けられたドアーがあった。

受付には見知らぬ女性が一人居たが、流石香港愛想も無く無表情で私を「誰だ!」と言いたげな目で見つめた。

「私は今日日本から来たMだ」と言うと知っていたようで直ぐに中のドアーのロックが解除された。

入ると直ぐに外人マネージャーに挨拶した。
無論彼の名前は何度か聞いていたしおおよその性格も耳にしていたが会うのは初めてだった。

そして次にこれから私が仕事する場所である技術の部屋に入った。
「どうも」と私と交代する前任者と挨拶をすると在席していたスタッフが集まってきて一応の紹介を受けた。そのうち何人かは以前から知っている者で、一人は前回私が採用した男と、もう一人は取引先のメーカーに居て仕事上良く顔を合わせていた者だった。

そして一番私にとって驚いたのが前任者に女性秘書が居た事だった。
その秘書は小柄だが一寸彫りの深い東洋人離れした面持ちで、
初めて挨拶を交わした時の笑顔がとてもチャーミングで強い印象を受けた。

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