- 名前
- まさやん777
- 性別
- ♂
- 年齢
- 28歳
- 住所
- 東京
- 自己紹介
- 東京のはずれに住んでます。夜勤してます。
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書きかけの小説を晒してみるシリーズ
2024年06月13日 10:55
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きみはステキだ!
なんて便利なセリフなんだと、おれは思う。えーと、なんだっけ、あの、人形の中から、人形が出てきて、その人形の中からも、さらにちっちゃい人形が~みたいな、ドイツの?あ、ロシアか!そうそう、マトリョーシカ人形っていったな。あれ、昔すげえ流行ったんだよ!おれもかあちゃんに買ってもらってさあ。でも、1日で飽きて、近所のうるせえおっさん、竹中って言ったかな?そいつん家[ち]の犬にくれてやったら、ワオンワオン!喜んでかぶりついてさ!そのままムシャムシャ喰っちまいやがって、結局犬さん腹壊し病院行き。おれ、竹中のおっさんに、その後べらぼうにブン殴られてさあ。もう泣いて家に帰って、かあちゃんかあちゃん、おれ竹中のおっさんにやられたんだよーって泣きついたらさ、かあちゃん、おれのボコボコになった顔なんかおかまいなしで、開口一番「ただしぃ!アタシが買ってやったマトちゃんはどこだい!!」って激昂、激高、月光仮面なわけよ!! おれ、おびえながら「今ごろ竹中のラッシーのウンコになってるんじゃないかな?」ってかあちゃんに言ったね!そうそう、竹中のやつ、いっつも涎[よだれ]を垂れ流してるきったねえ犬にラッシーなんてシャレオツな名前つけてるんだよ!てめえだって竹中権左衛門とかいう百姓みたいな名前してるくせによ!で、それはそれで、かあちゃんはかあちゃんで怒髪天を衝[つ]く、般若のような形相なわけよ!「ただしぃ!!あんたマトちゃんがいくらしたと思ってるんだい!!それをあんた、犬にくれてやっただと!?あんたみたいなヤツはこうだよ!こう!」かあちゃん、ちょうど布団を干してたから、あの布団叩くやつで、こんどはおれをビシィ!バシィ!と引っ叩くわけよ!ご近所様からは紅顔の美少年とよく言われたおれだったけど、竹中のおっさんとかあちゃんに相次いでやられて、きれいな顔が真っ赤っか!!ほんとの意味で紅顔の美少年になっちまったってわけ。
え、話が長い?まあまあ、今じゃ竹中のおっさんは徘徊老人になっちまって、こないだも近所の女子小学生に「会いたかったよ!よしこさん!」って下半身丸出しで抱きついて警察の厄介になってたみたいだし、かあちゃんはかあちゃんで「ただしぃ!アンタいつになったらアタシに孫の顔見せてくれんの!」って会うたびにうるさくてさー。ほらさ、おれってばモテるから、ひとりに絞れないわけよ!やっぱ一夫多妻制って、今の日本には必要だよなって、あんたも思うだろ?
え、はやく話を進めろ?はいはい、わかったわかったよ!
あのブッサイクな顔したマトリョーシカ人形みたいにガードが固い女の子でも、この男の中の男たる上森正[ただし]が、「きみはステキだ!」ってひとこと言うだけで、パリーン!と、幾重にも重なった心の壁を突き破るってわけだよ?ただし、マジやばくない!?
でも、まあおれは十二単を一枚一枚脱がしていった平安時代のマロ、いや浪漫[ロマン]にも憧れるクチだけどね。やっぱ、おれ令和に蘇った光源氏って言われてるわけだし。こないだも森田くんが「なんか『光る君へ』ってドラマ、最近やってるみたいですけど、まさに上森さんのことですよね!」って、おれのこと眩しそうに見上げて言うわけだよ!ああ、もう上森さんが眩しすぎて見えない!って感じで目をぱちくりさせて言うわけ!まったく可愛い後輩だぜ!デキる男は、男からも女からも慕われちまう。もう、これって真理だよね!50年の人生の末、たどり着いた真理がこれ!モテる男はつらいよ!
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