- 名前
- まさやん777
- 性別
- ♂
- 年齢
- 28歳
- 住所
- 東京
- 自己紹介
- 東京のはずれに住んでます。夜勤してます。
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書きかけの小説を晒してみる その2
2024年05月30日 16:05
昨日の続きです。
登場キャラクターの名前が一部変更になってますが、深い意味はありません。(小林→上森)
「森田くん、おれさ、zixiってSNSやっててさ、知ってる? かなり前からある奴なんだけどね」
黎明期のSNSだな。招待制の時は入会してる事がステータスだったけど、誰でも登録できるようになったら、すごい勢いで寂れて、今やゲームアプリの稼ぎでなんとか持ってるって言われてる。なんだっけ?パンスト?パンツのゴムを引っ張って、その勢いで敵をやっつけるゲーム。配信開始してから10年くらいになるが、いまだに売り上げ上位のゲーム。
「はあ、パンストの配信元でしたっけ、知ってますよ」
「おれzixiで、長年日記を書いてたんだよ。ほら、おれってさ、現代に生きる漱石か太宰かってくらいに文才に溢れてるわけじゃん」
「はあ、そうなんすか」
知らんがな。
「日陰の身で、誰知らぬ中、細々と日記を書いていたんだが、やっぱり、わかる奴にはわかるんだよな。こんなおれにも、応援してくれる子がいてさ。るりちゃんって、言うんだけど」
なんだか雲行きが怪しくなってきたな。
「すごいですすごいです!って熱烈なコメントが毎日来るようになったんだよ。おれも、こんなに応援してくれるんならって、メッセージ送ったんだよ、不肖上森、貴女のようなうら若き乙女に熱いコメントをいただき、光栄の極みです!って、なあ、それからどうなったと思う?」
別に聞かなくてもわかるけど、上森さんの顔が紅潮してきて、なんだか可哀想になってきたので、僕も気になって仕方ない的なノリで応える。
「それ、やばいじゃないすか、どうなったんすか?」
「なあ、聞いてくれよ、聞いてくれよ! るりちゃんさあ、るりちゃんさあー! うっ、うっ、、、」
急に目に涙を浮かべ、慟哭せんばかりの上森さんに、正直僕は引いてしまった。なんだ、クスリでも売られたのか?
「るりちゃん、すっげえ長文のメッセージを返してきてくれたんだよ! あの子さあ、もう、めちゃくちゃ苦労してきた子で、親の作った借金を夜の仕事で稼いで返してるっていうんだよ! おれは、もうかわいそうでかわいそうで、、、明日が返済日なんですけど、もうわたしはカラダを売るのはいやです、くるしいです。わたしはどうしたらいいんですかって、書いてあってさ、、、なあ、おれ、それでどうしたと思うよ?」
聞くまでもなく、その先の展開は想像できたし、正直もう、うんざりしていたが、上森さんに話を合わせてやる。
「大変じゃないっすか、それでどうしたんすか?」
その場で、クルンと一回転して、波止場でやるような変なポーズをキメる上森さん。
「おれがるりちゃんを救ってやったんだよ! 100万! 一括払い! サッと代わりに返してやったんだよ!」
思った以上に、頂かれてたーー!!
「もう、るりちゃん喜んじゃって、喜んじゃって! ありがとうございますありがとうございます、あなたは神さまです! ってな! 貧困少女を救う神が、令和に降臨したってわけだよ!」
アホの神だな。
ーーそれからも上森さんは、くだらない話を延々と続け、そうこうしているうちに休憩時間が来たのであった。
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