君のようには生き(ら)れない

僕は他の誰でもないなにかになりたかった
君のようになりたかった
君は歌い
君は踊り
君の笑顔はみんなを虜にした
もちろん僕も虜になった
だから君のようになりたかった
君と手を繋ぎ
君と一緒に歌い踊りたかった
そうすればどんなに僕の心は満たされただろうか
でも僕は君のように生きれなかった


僕は君のそばに行きたかった
でも行くことはできなかった



僕にはなにもない
僕にはなにがあるの
なにもないと思っていた僕に
教えてくれたのは君だった

あなたはあなたらしく生きればいい
誰かの真似をする必要なんかないんだよ

なにもない僕は
なにものかになれるのだろうか


君はそれからも歌い踊り続けた
ときには休むこともあった
でも陽がまた昇るように
君はまた歌い踊り続けた
そう太陽のように当たり前にあり続けた

僕は君の光を浴びながら
今もまだ下手な踊りを踊っている
皆に笑われながら踊り続けている


僕は君のように生きたかった
君と一緒に歌い踊りたかった

僕は君のそばに行きたかった
でも行くことはできなかった


だから僕は僕らしく生きていくよ
君が太陽なら僕は月になる
太陽の光のように
月の光も誰かを照らすはずだから
太陽のようにまぶしくはない
でも月の優しい光も誰かに必要なはずだから




あなたはあなたらしく生きればいい
誰かの真似をする必要なんかないんだよ

あるいはその言葉は誰のものだったのだろう

君は君らしく
僕は僕らしく
生きればいい

太陽と月のように
どちらも自分らしく輝けばいい
太陽と月のように
誰かを照らし続ければいい



僕は僕らしく生きていくよ
君のようには生きれない
君のようには生きられない