- 名前
- ユリ
- 性別
- ♀
- 年齢
- 42歳
- 住所
- 東京
- 自己紹介
- 見た目細身の天然ってよくいわれます。でもけっこうしっかりしてます。自分的に。映画と読...
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「ナイチンゲール」レビュー☆
2020年11月07日 04:08
アイスリング・フランシオーシ主演他。私は、あなたのものではない。流刑地タスマニア。すべてを奪われた女は復讐の旅に出る・・・。19世紀のオーストラリア。一帯を支配する英国軍の将校達から激しいレイプを受け、夫と子供を殺されたアイルランド人の女囚クレア(アイスリング・フランシオーシ)。復讐を誓う彼女は、逃亡した将校らを追跡するために先住民アボリジニのガイドであるビリー(バイカリ・ガナンバル)に道案内を依頼する。何一つ後ろ盾もない、奪われし者達の過酷な復讐の旅が始まる―。あまりにも過激な内容とバイオレンス描写で、ヴェネチア国際映画祭を揺るがし二冠!鬼才ジェニファー・ケントが世界に叩きつける、慟哭のリベンジ・スリラー!!
8/10点!!前情報として19世紀のイギリスがオーストラリアの先住民を追い出し、植民地化し、さらに同じ白人でもアイルランド人の立場は弱く、タスマニアが罪人の流刑地だったという複雑な歴史背景を理解して臨んだ方が良いです。復讐ものは苦手ですし、暴力描写もキツイと聞いていたので、少し気合を入れて観ましたが、わかりやすいストーリーがテンポ良く進み、最後まで引き込まれました。なんでしょう・・・男性の復讐ものは全然寝ちゃうのに女性の、というかクレアの物語は、彼女の愛情深さや悲しみ、怒り、弱さが情感的に描かれていて、とても魅力的な主人公なんです。レイプシーンでクレアの目線と観客の目線が重なる箇所があり、その場に自分もいるような錯覚に陥る、そんなシーンがいくつかありました。悪魔的にサイコパスな将校ホーキンスは、知的さと動物的な暴力性がアンバランスな、どうしようもなく愚かな人間の象徴です。そんなホーキンスを甘い顔立ちのサム・クラフリンが演じることで、家族や友人がいる本国でのみイギリス紳士で、戦争や植民地では、アメリカや他の国の野蛮な人たちと変わらず、ケダモノがゴロゴロいたのかも知れないと想像させられ、ゾッとしました。ホーキンスはクレアたちを自分の持ち物だから自由に扱う権利があると考えているけれど、それを否定し続けるクレアもまた黒人のビリーに対し、案内をし、自分の役に立つのが当然と考えている節があり、「イギリス人は皆憎い」とひと塊に見ているところも含め、これじゃ戦争はなくならないよねと思いました。クレアとビリーは互いの背景が似ていることに気付き、相手を知ろうと歩み寄り、こんなにも互いに共感し思いやれるのに。クレアの悲しみや怒り、傷の痛み、疲れなどがない交ぜとなり、おかしくなっていく過程が生々しく、酷く弱い存在として描かれ、仇を前にしても撃てずに自分に問い続けるからこそ、彼女はケダモノではなく人間でいられるのだろうと感じました。冒頭からクレアの澄んだ歌声に引き込まれ、全編通して歌から感情が溢れていて、素晴らしかったです。とても力強く、それでいて完璧に近い描き切り方をしているヴェネチアでの受賞も納得の秀作です。2020年公開。
このデジログへのコメント
はじめてログを拝見しました。
人類の歴史には、明るい部分と闇の部分がある。
闇の部分は、歴史から消されているのもあるので
一般の人は知らない場合が多い。
この映画のような映画等が増えて欲しい。
> カサマさん
初めまして。読んでいただけて嬉しいです(^^)そうですよね。自分の勉強不足も含め、映画で知らない歴史を知るのはとても面白いですし、フィクションより心に刺さることが多いです。
婦女暴行 男性はなぜ、行なうのか
相手が嫌がることで 愛を表現する
私は絶対に無理ですが 世間には多い
過去も 現在も 未来も 女が傷つく
切 望
子供虐待も含め 弱い者を卑しめない
> まんかつさん
私は女性なので男性の優位に立ちたいみたいな気持ちはよくわからないです。もう男女は違う星の人くらいに考えないとやってられないくらいわかり合えないです。
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