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「存在のない子供たち」レビュー☆

2020年08月20日 00:23

「存在のない子供たち」レビュー☆

ゼイン・アル・ラフィーア主演他。両親を告訴する。僕を産んだ罪で。わずか12歳で、裁判を起こしたゼイン(ゼイン・アル・ラフィーア)。訴えた相手は、自分の両親だ。裁判長から「何の罪で?」と聞かれたゼインは、まっすぐ前を見つめて「僕を産んだ罪」と答えた。中東貧民街に生まれたゼインは、両親が出生届を出さなかったために、自分の誕生日も知らないし、法的には社会に存在すらしていない。学校へ通うこともなく、兄弟たちと路上で物を売るなど、朝から晩まで両親に働かされていた。唯一の支えだった大切な妹が11歳で強制結婚させられ、怒りと悲しみから家を飛び出したゼインを待っていたのは、さらに過酷な“現実”だった。果たしてゼインの未来とは―。誕生日も知らない、戸籍もない少年ゼイン。両親を告訴するに至るまでの通切な思いに心揺さぶられ、一筋の光を求めて、新たなる出発の無事と幸運を祈らずにはいられない慟哭の物語。

10/10点!!いやもう、推定年齢12歳のゼインの生活の知恵が凄すぎて、序盤から絶句&その手があったかー!!と勉強になりました(>_<)麻薬をバレずにサバく方法とか母乳した飲んだことない子に粉ミルク摂らせる方法とか(凄)学校行ったことないし、親からも教えてもらえてないのに、数字も文字も右左も何が危ないかも全部わからないと生き残れない現実・・・。実話ではないので、地獄の中でこうであってくれたならという希望の光が描かれるのですが、それさえも、もう本当に人間として生きていきたい最低限のラインのことなんですよ(;_;) よくまぁ、こんな良い子に育ったなというゼインの綺麗な涙が苦しくて。ゼインがゼインと同じくらい愛らしい他人の子ヨナスの世話を、諦めずに目を真っ赤にして踏ん張る姿に胸が潰されそうでした。でも、親も周りも無戸籍で、低年齢結婚が当たり前で本気で悪いことをしていないと思っている大人たちの虐待の連鎖は、「スラムドッグ$ミリオネア」みたいな方法か、ゼインの諦めない柔軟性に富んだ発想くらいでしか、脱出することは出来ないのではないかと、絶望の現実も同時に観させられている感じでズーンとなります。人を一人救うことの難しさを突きつけられる秀作です。2019年公開。

このデジログへのコメント

  • まんかつ 2020年08月20日 06:30

    時たま 日本社会を標準としないで
    途上国の貧しい暮らしを顧みたいと
    おごる自分を反省します この映画
    戦前の日本人の生業に似ていますが
    大国の誰かが騙しているのですね
    庶民が逞しく活きる姿を支えたい

  • ユリ 2020年08月22日 04:05

    > まんかつさん
    教育を受ける、成長に必要な衣食住は確保するというラインはどんな暮らしでも外されない世界になったらいいなと思います。

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