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とばりの向こうは無意味の白

2007年04月10日 23:05

とばりの向こうは無意味の白

キモいな俺。

部屋んなかを、いったりきたり。気づくとなんかブツブツいうとる。

あさい眠りんなかで、居心地のわるい酒の席にいた俺は、かつてツキあってた彼女が上座のあたり、デップリふとったオヤジに酌をしているのを見つけた。その横で、彼女にしきりにまつわりついている男がいて、貧相この上ないんだが、自分がバブル期にいかにうまく立ちまわって、巨万の泡銭をこしらえたかを、呂律のまわらぬ口で自慢していた。

たまにデップリオヤジにどなられているその男は、なにか金属製の注射みたいなものを、彼女の太股につきたてている。あたらしいタイプの向精神剤だとかいう説明をしている。

俺はとびあがって、上座の方へ突進した。

妙にのろい足。必死でたどりつく。罵声をあびせながら、その貧相なゼニ野郎をひきづり立たせると、吃驚しているその顔へ、左ハイキック。ところが、脛が奴の側頭をとらえる瞬間、おれは何者かに後ろからひきづり倒され、畳にほおずりする事になる。

ききおぼえのある声。たぶん、大学院時代に俺をきらっていた、C だ。

「あれ、あれれ!Sさん今日はなんかイッショケンメイですねえ、あんまりキバると脳にヒビがはいりますよお」

何なんだこの糞野郎!俺は怒りくるってじたばたするが、ものすごい力でおさえつけられていて、身動きできぬ。...

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今思い出してみると、あのゼニ野郎、むかあし、俺が家庭教師してた小学生の父親(不動産屋で、真っ赤なボルボ(笑)にのってた)だよ。

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