- 名前
- ウルトラ7
- 性別
- ♂
- 年齢
- 63歳
- 住所
- 東京
- 自己紹介
- ガツガツして欲しい貴女、他の方をお訪ねください。 まったり、ねっとりの専門店です。但...
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初めての新生活
2017年04月01日 17:18
★新しい生活は
今迄何度かある
だが鮮烈に覚え
ているのは……
……私はその時、紙袋一つを手に、新しい第一歩を踏み出した。
―――父が事業に失敗したのは、私が中学生の時だった。
父の元から、一人去り、二人去り、四面楚歌・孤立無援の中、やくざに泣かされた。
だが、警察に連れて行かれたのは、やくざではなく父だった。
―――債務不履行で、だった。
その頃、住んでいた東京の家から、夜逃げ同然で神奈川に転居した。
高校には行かせて貰えたが、私は、心よじれて道を踏み外した。
警察沙汰を繰り返し、高校は1年で馘となる。
「で、これからどうするの?」
たまたま知人がアニメーターで、彼女の勤め先のスタジオに遊びに行った時、私が高校を辞めたことを心配した原画マンが、声をかけてくれた。
それが縁で、私がアニメーターになったのは、私が16歳の時のことだった。
なったとは云え、なかば成りゆき。
取り立てて絵が上手かった訳ではない。
それでも、私は夢中になった。
1週間続けてのスタジオに泊まり込みなど、珍しくもなかった。
そんな時、同僚のアニメーターの先輩が、新聞店の新しい店長になることになり、配達員を探していた。
やるならば、住み込みになる。
泊まりも珍しくない、アニメの仕事。横浜の山奥から東京のアニメスタジオに通う不便さもあり、何よりも喰い扶持を減らす《口減らし》の意識が強かった。
私は、その店での配達を決めた。
私に宛がわれたのは、古いアパートの3畳間。
その時の私の荷物は、紙袋で一つきりだった。
初めての朝の4時、起こされる前に自分で起きて販売所に行くと、
「よく起きて来れたな。偉いぞ!」
仕事の手は止めずに、顔だけ振り向いた主任さんが、にやりと笑った。
―――朝の3時をまわると、先輩と二人でスタジオを出る。
深夜の環六を小1時間歩き、新聞の販売所に着くと、朝刊の配達だ。
私の、アニメーターと新聞配達の二足のわらじの生活が始まった。
.
このデジログへのコメント
若い頃の掛け持ちは大事な経験ですよねッ☆
私も見習い住込みしながら掛け持ちしてたけど、それらを生かした人生にならなかったのが残念ですぅ(>_<)
> ババロアさん
真っ直ぐと昇りつめる人の方が
たぶん少ないですよ.
偉人伝によくあるのが
挫折して
たまたま知人に声をかけられ
その人を手伝う内に
第一人者になるってパターン♪
かけもち、大変そうですが、頑張ったんですね。
> ☆佳奈☆さん
無茶苦茶だけど
若いから出来た暴走(笑)
《アニメーション》って単語が
まだピカピカで お年寄りには
「テレビ漫画を描いてます」
と自己紹介していた時代です(笑)
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