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(長文)《お話》の話 ――四つの題材――

2016年09月22日 02:22

(長文)《お話》の話 ――四つの題材――

◆ ∧ ∧ ∧ ∧ 皆
こ さ だ ば こ さ
れ よ い か ん ん
っ う す や に お
て な き ろ ち は
何 ら ♪ う は よ
だ ∨ ∨ ∨ ∨ う





いきなりの縦書き、読み辛かった?
やはり、横書きでまいりましょう♪




以前、子供たちを前に講演をした。


中高生の男子が2~300人といったところで、講師はというと、かつて『頭脳警察』ってロックバンドで活躍したピアニストと、私の二人。


《個人の特技を活かした生き方》ってことだったが、堅苦しいのは性に合わない。


そこで「映画の物語作りの仕組み」って話にして、四つの題材を取り上げ、脱線部分に子供たちへのエールを盛り込んだ。




その時の資料の一部が出てきた。
懐かしさに任せ、脱線部分以外を再現してみる。


極めて個人的な資料価値の意味でメモ代わりに書く物なので、興味の湧かない方は、ココまでの方がよゐかも、でやんす。























七つの大罪』ならヒット作品だが、(と、新しい根多とか、入れてみる)《四つの題材》とは、いったい?



《こんにちは》

《ばかやろう》

《だいすき♪》

《さようなら》


――が、その四つ。



これらは、ドラマを形作るemotionの分類で、宇宙や大自然を主人公にするなら別だが、人間を描く以上、どんな描写であってもこの四つに集約される。


「俺はへそ曲がりだ」と云っていた小説家星新一サンでさえ、小説に描くのは人間であることに異論はないそうだ。





では、人間のemotionで考えてゆく―――始めは《こんにちは》から



ヒーローヒロイン出逢い

主人公と敵役との出会い

etc



先ずは、登場人物が誰かに出会うことから物語は始まる。





次にくるのが、《ばかやろう》だ。



敵対心。

不信感。

嫌悪。

憎悪

反発。

下剋上―――



出会って、直ぐに惹かれるなんてことは稀なこと。先ずは対立軸が出来る。





やがて《だいすき♪》に―――



反発しあう二人が和解する。

敵同士が認めあう――



心が動く瞬間。

物語が動きだす瞬間でもある。





やがて、最後にくる別れ。
―――《さようなら》



卒業

離別。

訣別。

旅立ち。



涙。

慟哭

抱擁。

絶叫。



登場人物人間関係を締め括る。







これは、物語の組み立て方も同じ。





《こんにちは》


先ずは、物語と貴方との出会いだ。


登場人物の紹介や、物語の背景の説明を後回しに、冒頭に印象的な場面を持ってくることで、先ずは貴方に興味を持って頂く。


小説の口絵の如く、最初にクライマックスを見せてもよゐし、派手な活劇で目を釘付けにするもよし、思わせぶりな振りで、描きたい雰囲気を醸し出す手もある。





《ばかやろう》


物語と貴方との関係では、貴方を如何にざわめかせ、揺さぶるのか。


物語の中でイレギュラーを放り込んで、不協和音を奏でるのだ。



なんだろう。

何故なんだろう。

なんなんだ。



そう思わせる謎かけや問題提起、衝撃的展開でド肝を抜くことで、興味・関心を喚起する。


物語の内容で《ばかやろう》比重を増やすなら、戦争やピカレスクロマンになる。




《だいすき♪》


物語と貴方との関係では、貴方に物語を好いて貰うこと。


物語の中で提示してきた謎かけやトラブルを解決する中で、如何にして貴方を唸らせるのか。惹き付けるのか。


作品自体の魅力を増すのも大事。如何にして貴方に喜んで貰うか、細かい仕掛けも大切になる。男性向けの濡れ場なども、その一つだ。



物語の内容で《だいすき》比重を増やせば、それは恋愛ドラマになる。
その上で《ばかやろう》の要素を増せば、悲恋ドラマってことになる。


或いは、《ばかやろう》が殆んどないケースもある。敵役が出てこない場合だ。映画『愛と喝采の日々』がそれで、登場人物の感情の起伏だけで最後まで押しきった。





《さようなら》


物語と貴方との関係では、物語の締め括り。最後までお付き合いを頂いたことへの感謝の想いを込めながら―――



達成感。

充実感。

その余韻。



勿論、物語がアンハッピーなら締め方も当然、それなりに暗くなる。


主人公を奈落の底へ突き落とし、意外性でインパクトを狙ったり、暗に反面教師の教訓を込めたりとか、物語のテーマ雰囲気により、最後は変わることになる。



劇中に提起した問題の解決は勿論だが、時には問題を先送りにして、次回作への布石にすることも(笑)







―――と、これが基本的な骨組み。


ここに、当時流行っていた漫画や映画を例に、実際に四つに分けて解説しながら、ちょっといい話を散りばめた。



私は、なのだけど、人前で話す時に原稿を見ながら話すのは、あまり好きではない。


事前に原稿チェックが入る場合は別だが、大概は原稿なしで喋ることにしている。


頭の中でシュミレーションを繰り返して、これでもかと練り上げるが、いざ話しはじめると脱線し過ぎたり、途中で質問が入ったりと、最初に組み立てたシュミレーション通りにはいかないかも知れないけど、それでも、その方が温かく活きた言葉になるから、トラブルウェルカムってことにしている。


ま、たま~~~にしかやらないし、話題はいつも何かに特化しているから、同じことを繰り返すことがない。


――再現性がないって、それじゃまるで、幽霊超能力実験だ(笑)





まぁだからこそ、資料が出てきたついでに再現してみる気になったので、これは本当に私的な記録。


最後まで読んで下さった方には、ただ、只、恐縮するばかりです。


よゐ秋分の日をお過ごし下さい。













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