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趣味は読書、ルナールの「にんじん」
2014年10月12日 09:10
何で、急にこの本を買ったのか、自分でも衝動的過ぎて分からないが、昨夜読み終わった。
「にんじん」と、近い世代の人が読めば、同情したり、悲惨だと思うかもしれないが、ツービートの毒舌や筒井康隆のブラックユーモアの洗礼を受けている僕は、最初の数編を、素直に悲惨だと受け取れず、にんじんがいじめられる姿に、不謹慎ながら、笑いさえ感じてしまうのだ。それと、涙を流しながら、モグラや猫を殺すシーンは、複雑な気分。
また、長年雇っていた、お手伝いさんを解雇するきっかけを作ったり、寮の監督の老教師の解雇のきっかけを作ったりするのだが、その裏にはにんじんの愛情への飢えを感じてしまう。
我が子の容貌の醜さ、奇異さを理由に、実の母が、こんなにも意地悪になれるものだろうか。オネショをスープに混ぜて飲ませたり、置き忘れた溲瓶を最初か、置いてあったように工作したり。
父はにんじんを愛してるいるし、兄や姉は、特に嫌ってもいないのに、母親だけが辛く当たる。最後に、父親も母親が嫌いだと打ち明けるのは、意外だが、小さなカタルシスになる。
これは、ルナールの自伝的要素が非常に強い作品だ。
ただ、にんじんがいじめられて可哀想という作品ではなく、人間が人の中で生きる様々な問題を含んでいる。
新潮文庫の新刊から、「パパは楽しい躁うつ病」という、北杜夫と娘の斎藤由香の対談集を買った。
「巴里茫々」という北杜夫の作品も、新刊で出ていた。
文庫本も週刊誌のように、油断していると、すぐに絶版、品切になってしまうので、一期一会、古本屋で掘り出し物を見つけた時のように、財布に余裕があれば、出来るだけ手に入れるようにするべきである。
新刊も古本も、同じということか。
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