ネットの印象的な話:悩みとは他人と比べる所から始まる

<心に響いた[たった一言]>
[悩みとは、他人と比べる所から始まるんだ]

二十代の半ば頃、私は人生に行き詰っていた。
結婚、昇進する同級生を尻目に見ながら叶わぬ夢を追いかけて年だけ重ねていく日々。
皆から取り残された気分で、この先の人生の見通しが何も見えなかった。
焦りと苛立ちに体を蝕まれ[もう人生やめてやろうか]と自暴自棄になっていた。
そんな時、スリランカから帰国したばかり友人がふらっと私の元にやって来た。
私は彼に散々愚痴を漏らした。
普通の人なら[もうやめろ]と途中で帰ってしまう程の長時間、胸の中に溜まっていた愚痴を一方的に吐き続けた。
彼は嫌な顔一つせず、最後まで私の愚痴を聞いてくれた。
そして聞き終わると、[悩みとは、他人と比べる所から始まるんだ]
まるで子供に諭すように優しい笑みを浮かべながら彼は言った。
彼は子供の時から[変わり者]と周囲から白い目で見られてきた。
個性的とも自分勝手とも呼ばれたが、彼はそんな言葉をまったく気にせず、自分に素直で真っ直ぐな人生を歩んできた。
彼は高校を卒業後、日本各地を旅した。
資金が底をつくと仕事を問わずひたすら働き、ある程度の金額が貯まるとまた旅に出る、風のような男だった。
彼の足は日本だけに止まらず世界にも向いていた。
世界各地を旅し[時間に束縛されたくない]という理由から携帯電話も持たないため、彼の居場所を確認できる者はだれもいなかった。
彼の言葉によって私は救われた。
いま思えば些細な悩みだったのかもしれないが、彼の一言によって、自分の人生だから自分の信じる通りに進もう、と目の前の霧を振り払えた。
風の噂で、彼は現在、東日本大震災で被災した地域を回り、復興ボランティア活動をしているということだった。
私の苦しみを取り除いて進むべき道を照らしてくれたように、彼の活動によって被災地が新しい一歩を進めるようになることを私は願っている。

…印象的な言葉でした。