正しい日本語よりも、優しい日本語

先日、フレンドさんと言葉についてお話をしました


「ｲﾁｺﾞちゃんはたまに相手の挑発に本気で返事するよね。
ああいうのは良くないよ。
しょせん女なんだから、笑って聞いてればやり過ごせるでしょ？
かしこく生きなきゃ」


意地でも負けん気でもなく、日本語が優しくないから
私は本気で対応するのです


「ああいうのは良くないよ」
私はそうは、思いません



以前、まだ彼が生きていたときに
すごく失礼な対応で話す男性に
すごく失礼な対応を彼がしていたことがありました


「きっと、話し方が気に入らなくて
知らず知らずのうちに失礼な対応になっちゃうんだろうな」
と私は思ってましたが、彼は違う考えで
誠心誠意、失礼な態度を取っていたと知りました


私「なんでさっきの人に、あんなに汚い言葉を使ったの？
相手に失礼だよ？？」


彼「普通はそうだよね。でもね、それは（あの人以外）が思うことだったら
意味が無いんだよ。
失礼な対応をする人には、失礼に対応しなきゃ「失礼」だから。」




私の頭には？？？マークだらけ


私「どういうこと？」

彼「あの人は、きっと今まで誰にも「あなたの言葉遣いや対応は
人に不快感を与えているよ」と教えてもらってないんだ。
だから、きっと僕が人生で初めての（失礼な人）のはずなんだ。
失礼にされて、初めてあの人は（失礼な人）や（失礼な事）を知ったと思うよ。
ここから先は、あの人自身が変わろうと思えば
きっと素晴らしく変われると思う。
でも、変わろうと思う以前に
「俺は失礼な言葉を使っていたな」って気づかなかったら
いつまでも変わらないままで終わってしまうんだ。
きっかけを教えなかったら、何も変わらないままだよ。
だから、あの人がいい方向に変わるかもしれない、って望みを持って
失礼に対応しただけ。」




私には衝撃の瞬間でした



今までそんな風に思ったことも
人にきっかけを！と思ったこともなかったので



強制するわけでもなく
絶対に気づかせようとするわけでもなく



本当の優しさを、初めて知りました



言葉はすごく魅力的で
とても攻撃的で
傷つけたり、はげましたり
遣い方次第でナイフにもヴェールにもなるということ


今まで考えたこともなかった事を
私は思い知らされました


いつも、思いだす思い出がひとつあります。


「浜田省吾って歌手、知ってる？」

私「ううん、知らない」

「マネーっていう唄を歌ってるんだけどさ、歌詞の内容がすごいんだ。」

私「どんな内容なの？」

「普通に聞くと、付き合ってた彼女もお金っていう理由で自分から離れたとか
お父さんも兄貴と自分を捨てて出て行った最低な奴だから
そんな奴らにすごい大金をたたきつけて見返してやる！って唄なんだ」

私「過激そうな唄だね」

「でもさ、よく聞くと
そんなこと望んでない唄に聞こえるんだよ。
なんでかなって思ってたら、裏返しの言葉が入ってるんだ。
油にまみれて働いて、自分を育ててくれたお兄ちゃんに
いつか自分が成功したら、とてつもない大金を持ってきて
兄貴にぜったいあげるからな！って決意に聞こえるんだ。
表現が綺麗じゃないだけで、こんなに愛情にあふれた唄を
ｻﾗｻﾗって書ける歌手ってすごいよな。」



本当に素敵な言葉を感じ取れる人じゃなきゃ
こんな事はわからないんだろうな。
私なんかじゃ、理解できないんだろうな。


ずっと思っていましたが
最近、優しい言葉の意味を理解できてきた気がします



まだまだ私は成長途中

私も負けずに「優しい日本語」を勉強します