フランスの育児、介護とは？日本よ、愛ために戦おう！（５）

理想を実現するためには

西郷：フランスには、日本でも実現したらいいなという制度がたくさんありますが、どう変えてきたのでしょうか？フランスは状況に応じて、柔軟に法律を変えてきたんですよね？

ドラさん：フランスも、かつて、1970年代までは、女性は離婚も避妊も中絶も許されない社会でした。妻は夫の許可なく仕事に就くことができず、ほとんどが専業主婦。自分名義の銀行口座を持つこともできませんでした。そして、レイプは1978年に禁止されるまで犯罪ではなかった、というトンデモない国だったんですよ。

日本だけじゃなく、フランスでも40年前は女性の地位は低かったんです。でも、今は、フランスの女性たちの選択肢は大きく広がりました。トップダウンで変わってきたわけではありません。フランス人は革命が好きだし、市民意識が強くて、デモや抗議活動をします。権利や自由を求める国民の声を代弁する市民団体やNGOの活動が盛んなので、番犬みたいに政治をチェックしているんです。議会も、彼らの発言を無視することができない位にインパクトを与えています。フランス人は、全然我慢できない体質だと思います。

一方、日本人はとにかく我慢強いですね。でも、一人ひとりの市民意識が高いとは言えませんね。もうちょっと考えた方がいいですね。東日本の大震災以後の報道を見ていても感じています。

西郷：日本にも、潜在的には、自由や権利を求めている人は多いと思います。でも、そういう人が団結しないように、コントロールされていると思いますね。本当に残念なことです。

ドラさん：日本は和が一番大事で、個人は一番最後でしょう。フランスでは一番大切なのは、「個人の幸せ」です。どうしたら個人が幸せになるか、そのために環境を整えていくことが大事です。個人が幸せであれば、関わるまわりの人も幸せなんです。今の日本は、社会のプレッシャーがとても大きいので、変えるためには、少し勇気が必要だとは思います。でも、私の本の読者は、自由で自立した男女の考え方を支持していますよ。
日本にも、革命が起きれば、すごく面白いことになるわ！日本も諦めないで！

「”フランス人は革命が好きだし、市民意識が強くて、デモや抗議活動をします。権利や自由を求める国民の声を代弁する市民団体やNGOの活動が盛んなので、番犬みたいに政治をチェックしているんです。議会も、彼らの発言を無視することができない位にインパクトを与えています。フランス人は、全然我慢できない体質だと思います。
一方、日本人はとにかく我慢強いですね。でも、一人ひとりの市民意識が高いとは言えませんね。もうちょっと考えた方がいいですね”というドラさんの言葉が胸に刺さりますね」