- 名前
- 絵梨菜
- 性別
- ♀
- 年齢
- 55歳
- 住所
- 京都
- 自己紹介
- 小柄なのでいつも若くみられます。^^ 楽しくメールできる方、待ってます。
JavaScriptを有効にすると、デジカフェをより快適にご利用できます。
ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてからご利用ください。
過去への旅(父の同級生)
2009年03月22日 01:48
北白川の伯父に連絡先を聞き、父の学生時代の友人に会いに行く。
木曜日の昼下がり。
見ず知らずの人物からのぶしつけな電話に
「いつでも会いにいらっしゃい。年なのであまり覚えてないけどね。」
心良い返事をくださった。
その人は、和歌山にいた。
休日中日の土曜日の道路は適度に混んでいて、心の整理には具合いがいい。
「もう一週間ほど遅く来たら、桜が満開だったやろなぁ。」
窓の外に桜の蕾が。
余所見運転をしてはいけません。
「はじめまして。突然すみません。」
「いやいや。遠かったでしょう?ここ田舎やしなんにもないしねぇ。」
満面の笑顔で迎えてくれた。
「父のこと知りたいと思って。いろいろ訪ねているのです。」
「学生時代のことを?」
「なんでもいいんです。私、父と話ししなかったから。」
「若い頃から、何に考えてるかようわからん男やったなぁ。」
「真面目やったよ。なんや難しいこと夜通しで話してたわ。」
学生の頃は、政治活動に興味があったようだ。
政治家にでもなりたかったのか。
ある政治家について書生まがいのこともやっていたとか。
「お酒はその頃から?」
「ああ。よう飲んでたなぁ。ワシもよう飲んだでぇ。」
「飲んで騒いで、ちょっとだけ女遊びもして(笑)」
「そやけど。あいつ。。。あんましバカ騒ぎはせんかったなぁ。
もの静かな人やった。」
お酒を飲むと暴れていた父しか見てない私には信じ難い話です。
「アルコール浸りになったのはいつごろから?」
「さぁなぁ。会社勤めするようになって暫くは付き合いあったけど。だんだん疎遠になってたらからなぁ。」
「ちゃんと就職したので?」
「ああ。最初の会社はな。学校卒業と同時に就職したで。大企業やったしな。上司とあわんとか、社風がどうのとかこぼしてたけど。
まぁ。誰でもそんなんいうしな。」
「所帯持つ三年くらい前から、ようお酒を飲んでいざこざ起こしてたみたいやけどな。」
「それなのに。結婚したんですねぇ。」
「結婚したら落ち着くと思ったんやろな。周りのもんも。。」
「家庭を持つべきではなかったですね。」
「あはは。そうかぁ。こんなええ娘さんいてるのに(笑)」
「ひなさん。」
「うん?ひなさん?」
「父の愛人です。」
「そんな名前やったかいな。」
「ご存知です?」
「知ってるよ。飲み屋さんやってはったやろ。京都で。」
「ええ。」
「一緒に飲みに行ったことある。」
「独身時代からの付き合いでした?」
「どやったかいなぁ。。。」
「子供がいるんです。ひなさんとの間に。」
「そうなんか。会ったことあるのか?」
「一緒に暮らしてました。ずっと。」
「そうかぁ。」
「独身時代から、その店には通ってたかも知れんなぁ。深い中になったのは、結婚してからと違うかなぁ。」
「そこら辺のことはようわからんわ。あんまり付き合わんようになってからのことやし。」
就職先の企業も辞めてしまい、お酒のトラブル続きの父は敬遠されていったようです。
「気にしてはんのか?その。。。」
「ひなさんのことですか?」
「ああ。ひなさんな。」
「父が長年一緒にいた人ですから。アルコール浸りなのもその人が原因かと。逆かも知れませんが。」
「堪忍やで。あんまり知らんのよね。あいつ、なんも言わんかったから。」
私の気持ちを察して、知らないふりをしてくれたのか。。。
「会いにいかはった?」
「いいえ。暫く仕送りしたたんですが、父が死んでからは。。。」
「そうかぁ。まぁ。会ったからってどうなるってもんでもないわな。」
「ですね。」
「お葬式に行ったきりで、お参りにも行かないで堪忍な。」
「いえいえ。ありがとうございます。」
「ここら辺。桜が綺麗なんやで。もう少し遅く来れば満開やったな。」
「あ。そうそう。写真見るか?若い頃の。。。」
セピア色の写真の父は、若くて健康そうだった。
ノーネクタイの白いシャツの上に黒っぽいジャケットを羽織っていた。
この頃がこの人にとって一番良い時代だったのかな?
このデジログへのコメント
> hayatoさん
この旅は、まだまだ続きそうです。
自分を探しているのかも知れませんね。
> rousillonさん
私の記憶の中にある父の顔。
古い写真のその顔。
父にも色んな顔があったようです。
> taka-pさん
映画のように美しくない。
人生は厳しいですね。
ドロドロとした心を持って人は生きていくのでしょうか。。
コメントを書く