父の遺産（2）

父は、お洒落な人であった。
家から出掛けるときは、いつもスーツにソフト帽だった。
遺品の中にも、仕立ての良いスーツが沢山あった。
安月給でよく買えたなぁと思う。。。

父には、ひなさんという愛人がいた。
このことは、長年家族を苦しめてきたし。
私の遺恨となっている。

家庭がありながら、愛人を作りやがって。。。。
と、長年恨んできたが。
視点を変えてみると。。。

ひょっとして、母と結婚する以前にひなさんと好い仲であって、なんらかの事情があって結ばれなかったとしたら。。。
そして、望んでもいない人と結婚するはめになった。

そう考えると、ずーと子供に恨まれているのは少し可哀そうな気もしないでもない。
いずれにしても。
子供にとっては、迷惑な話ではあるけれど。。。

なんて話を、伯父にしたら。。。
「心配せんでもええ。
ひなさんとは、付き合いが長かったというだけや。
他にも沢山、女を作っていた。」
だ、そうだ。。。

いやはや。。。（絶句）

呆れたり、安心したりである。（苦笑）