ひとりでは、寒すぎて・・・

一年に一度、
必ずやってくるその日を
どう、やりすごせばよいのか？

いっそ記憶などというものを
一日でも、消し去ってしまうくすりがあるのなら、
ボクはその日のために
いくばくかのお金を
支払ってもいいとさえ　おもう。

それほどの
耐え難い何かを
どう、やりすごせば、
いいだろう？

そして思い至る
キミの素敵な横顔

ありもしないくすりに
某かの望みを託し
待ち続けるぐらいなら、
はっきりとキミの、その夜を
ちぎってしまえば、いい

もしさしつかえなければ
その日の夜を
空けておいてくれないか

そう、伝えれば、いい
それだけの、ことだ

そのためにボクは
携帯のボタンを押す

とっておきのレストランの
その夜、
たった二つのシートを
リザーブするために