- 名前
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- 外見はまじめ。60歳代だけど禿げてませんよ。小柄だけど、体力あります。性格はのんびり...
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チェチェンへ アレクサンドラの旅
2008年12月27日 13:23
渋谷ユーロスペースでアレクサンドル・ソクーロフの「チェチェンへ アレクサンドラの旅」を見てきました。
うーん、これをチェチェン戦争を捉えた反戦映画とか戦争ドキュメンタリーと思って見に行くと、その内容が想像と異なっているので愕然となると思いますよ。
むしろ、戦争にかかわる人間たちの姿、戦場を生活の場とする人間(兵士および民間人)の姿を通して、人間の存在について、その人間たちの内面を深く透徹したまなざしで見た映画でしょうか。
太ったロシア人老女性が装甲列車に揺られて暑い広大な大地に降り立ち、兵舎(といってもテントばかりです)に住む孫の、将校(大尉)デニスを訪ねるのが冒頭のシーンです。「おばあさん」が大好きなデニスは祖母アレクサンドラ(ガリーナ・ヴィシネフスカヤ)を大喜びで向かえ抱擁するが、勤務を休むわけにもいかず、一方、アレクサンドラはお供につけられた若い兵士の意見も無視して、駐屯地の外にいってしまう。
市場でチェチェン人の女性マリカと知り合い、財布を忘れたアレクサンドラが駐屯地の若い兵隊たちに買って帰ることを約束したタバコ類などもマリカが調達してくれる。
マリカの住むアパートは壁が砲撃によって崩壊した建物だが、その中で疲れたアレクサンドラをいたわり、「私たちは姉妹よ」とまで言ってくれる。駐屯地の帰り道には、マリカの隣人の息子がつきあってくれるが彼は、アレクサンドラに望みを問われ「もう、開放してほしいよ」というのである。アレクサンドラは言う「年取った日本の女性の言葉がある。どんなにつらいことでも、必要なのは理性である」と。駐屯地に帰ったアレクサンドラは、デニスに再開し、軍の意味について話し合うのだが、アレクサンドラは突然、「自分はまだ生きていたい。一人では生きられない」と悲嘆にくれる。そして、アレクサンドラが駐屯地を列車で発つときに、見送りに来たのは・・・・。
冒頭のシーンは、もやもやして、うすぐらい、「太陽」「モレク神」「牡牛座」などのソクーロフの映像ですが、その後、太陽の強い光が照り返すチェチェンの大地の風景はいつものソクーロフの映像とは異なってきます。もっとも、人物を静かに描いていくタッチはソクーロフそのものなんですけどね。
はっきりいって、ソクーロフに慣れていない人が見て、睡魔に勝てるかどうか・・、きっと熟睡できます。見る人を選ぶ映画かもしれません。
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