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貧乏人は医者にかかるな! 永田宏著

2008年12月14日 15:49

貧乏人は医者にかかるな! -医師不足が招く医療崩壊永田宏著 集英社新書 は大変刺激的なタイトルとは違って、内容は非常にまじめな本です。
 厚生労働省の発表した資料をもとに、これまで厚労省が認めようとしなかった「医師不足」の現実を明らかにし、それが医学生の増加くらいでは解決しない程度であることを示しているのです。
 こうしたことはイギリスブレア政権で(サッチャー政権によって医療費抑制のために、入院するまで何ヶ月も待機させられるようになり、しかも低賃金かつ重労働を嫌って医師がイギリスから逃げ出したあとの)医学部生増加でも見られるように、一応の手段になりますが、結局、新卒医師の就職難も起こるでしょうし、迫りくる医師不足問題を解決するほどにはならないのです。
 永田さんは「何ヶ月も入院(そしてかかりつけ医の診療さえ待たされる)を待機することになるイギリス型」か「お金さえあれば最高級の医療を受けられるが、貧乏人は医療をうけることはできないアメリカ型」かの道を提示します。その真ん中の道もあるのでしょうが、いずれにしろ、医療費の増大は嫌!、税金を上げるのも嫌!企業からなる政財界の言うことは間違いないだろう!といった投票行動を示す日本には、たいした道は残されていないのだと思います。
 すでに東京にはXX病院のようにお金持ちに対して最高級の医師が最高級の治療をする病院もあるし、アメリカ型への移行は(これこそ、多くの日本人が好き好んで選んだ小泉・竹中路線の行き着く先なのですから)避けられないのではと思います。
 やはり、貧乏人は医者にかかるな!いやかかれない!ということになりそうですね。(皆さんが投票で選んだ結果ですよ。あなたは違う人・党に投票したといっても、現在の日本の「民主主義」ではそういう言い訳はできませんから)
 うっとうしい未来覗き見ることができる本です。

このデジログへのコメント

  • RISABELL 2008年12月14日 16:01

    新自由主義路線についてはいずれ消えると思いますけどね。日本が立憲主義を取っていて、25条ある限り。

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