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コッポラの胡蝶の夢 エリアーデはお好き?

2008年09月28日 01:15

悪いことはいいません。見ないほうがいいです。
エリアーデが好きなら別ですが・・・。
 「胡蝶の夢」というのはもちろん荘子胡蝶の夢の話から来ています。この瞬間にこの映画の大筋は決まってしまいます(ラストの落ちもね)。英語の現代は「Youth withoutyouth」なので、こちらのほうがラストがわからないのでいいと思うんですがね。
 司馬遼太郎の「胡蝶の夢」とは異なり、こちらはエリアーデの原作に拠ります。エリアーデは30年前には生協本棚なんかに著作集が並んでいたものですが今の若い人は読むんでしょうか?僕は彼の宗教学の著作はざっと目を通すくらいでしたが、「ムントゥリャサ通りで」という小説には感心した記憶があります。これもはるか昔の思い出です。
 博覧強記語学天才エリアーデ幻想小説を原作にしたのですから衒学的なのは当たり前で、映画をみても本当にわくわくするセリフの連続でしたけど、それはつまり観客の幅を狭めるということで、この映画の評価がひくいのは当たり前でしょうね。ルーマニアの歴史を知らない人が「4ヶ月、3週と2日」を理解できないように、言語学に興味もなく、ヨーロッパの近現代の歴史も知らない観客に2時間の集中を保たせるのは無理でしょう。
 1938年ルーマニアブカレストドミニク・マティという77歳の学者が降り立ち歩いていると落雷に打たれるところから物語は始まります。落雷により彼は若返り、超人的な記憶力を手にします。もうひとつの秘密とともに・・・。
 彼は、若いころからの夢である原始(原初)の言語の仕事をし始めるのですが、彼の存在を知り、ヒトラーの側近の学者がつけ狙います。スイスを逃げまどうドミニク戦後、山の中で彼は、若い頃彼を捨てた女性ラウラに瓜二つの女性と知り合うのですが、彼女落雷にあい、過去へ過去へと輪廻をさかのぼることとなり、彼の言語研究の材料となってしまうのですが・・・。
 そして、結末はやはり・・・。
 インドの風景や、マルタ島の風景も素晴らしいのですが、やはりルーマニアの寂しく寒い風景が印象的です。その中で主役のドミニク・マティを演じるティム・ロス、彼の愛する女性を演じるアレクサンドラマリア・ララが秀逸の演技をしています。たぶん、商業的には失敗で賞が、知的には満足させてくれる映画でした。

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