カート・ヴォネガット　「追憶のハルマゲドン」

「追憶のハルマゲドン」　カート・ヴォネガット 2008年09月11日
2007年に亡くなったカート・ヴォネガットの没後1周年記念の本です。

　アメリカで青年たちが大人になっていくときに読むというカート・ヴォネガット、僕は大好きです。
　単純で青臭いですけど、84歳になっても青臭いというのは、それだけでも素晴らしいことです。
　アメリカという国が大好きで、だから今のアメリカが大嫌いだったカート・ヴォネガット。
　そんなヴォネガットの作品集ですが、その多くがドレスデンの空襲の下で捕虜をしていた彼自身の体験を基にした短編が多いです。つまり、アメリカなどの連合軍が、軍事都市でも何でもないドレスデンを空襲して、女子供を含む多くの無辜の人々を殺害した原罪の体験です。
　そのまじめで悲しくもおかしい物語を読むのもこれが最後かもしれません。
　もう少しで「死よりも悪い運命」も再刊されるようですし・・。カート・ヴォネガット万歳！カート・ヴォネガットよ永遠に！