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亀も空を飛ぶ

2008年09月01日 00:44

早稲田松竹で観てきました。
監督は「酔っぱらった馬の時間」のバフマン・ゴバディです(この「酔っぱらった馬の時間」のDVD廃版になっていて、アマゾンでもヤフーオークションでも9000円に値が上がっています!)。
 映画の背景は2003年のイラク領土の中でもトルコ国境を接するクルド人居住地です。この村で、子供たちを取りまとめて地雷を掘らせて仲買人(ミスターと呼ばれる男)に売りつけたり、村のテレビ衛星放送にするためにパラボナアンテナを購入したりする少年が「サテライト」と呼ばれる少年です。
 この少年がアンテナを立てていると、難民の少女がやってきてロープを3メートル分だけ無心しました。サテライトはこの少女グリンに恋をするのですが、アグリンテントに、兄のヘンゴウ(イラク兵によって両手を切断されています)、目の見えない幼児とともに住んでいます。ヘンゴウは両手こそないものの不思議な能力があり、地雷をさぐりあて、口で器用に雷管を解除します。さらに、いろいろなことを予言するのです。
 アグリン赤ん坊(片言の言葉は喋り、歩けるのですが、目が見えないために、すぐに危ない所に入り込んでしまうのです)をどうやら好きではないようです。というのは、この赤ん坊は・・・・。
 アグリンはこの子さえいなければと思うのですが、兄は承知しません。そこでアグリンは考えあぐねて・・・。
 冒頭のアグリンが崖に立つ風景がなんどもフラッシュバックのように挿入され、ラストはとうとう・・・。
 予言通りにイラクアメリカは開戦しあっという間にフセインは敗れるのですが・・・。

 イラク内で差別を受けた(実際に毒ガス攻撃でジェノサイドを受けた)クルド人の子供たちの生活を通して、戦争の実態を訴えています(それとともに子供の強さも)。
 この映画は、ここ最近見た映画ではもっとも衝撃的なものでした。
 映画館で見ようと思っていながら、実はDVDも購入していたのですが、きっと、この先、何度も見直すべき映画なのだと思います。

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