貴重な左腕！

“ミスターゼロ”岩田がまた快投！開幕２戦目大抜てきや！
サンケイスポーツ - 2008/3/17 8:02

　（オープン戦、巨人０－０阪神＝九回規定により引き分け、１６日、東京ドーム）開幕ローテ入りに文句なし！　阪神の３年目・岩田稔投手（２４）が１６日、巨人戦（東京Ｄ）に先発して５回を無失点に抑えた。オープン戦は４試合＆１５イニングを投げ、防御率０．００と１２球団一の安定感。ベテラン下柳に続く待望の先発左腕は、横浜との開幕３連戦の２戦目（京セラＤ）の出陣が濃厚だ。

　ピンチに追いやられても動じない。宜野座キャンプから結果を出し続けた岩田が、ついに開幕ローテのキップをつかみ取った。

　「絶対に点はやらないと思っていた。去年までは（ピンチで）どうしようとなってたけど、どっしりと構えて投げようと思った」。小笠原が復帰した巨人打線を５回５安打０封。毎回走者を許す投球ながら、オープン戦は４試合＆１５イニングで防御率０．００と１２球団一の安定感だ。

　プロ３年目の２４歳。秋キャンプから左腕を少し下げた投球フォームに変えた。それによって課題の制球力が上がった。

　「今まではカウント球がスライダーだけでしんどかった。カーブ、ツーシームも使えるようになって楽になった」。自慢のスライダーがキレる。二回に連打で無死一、二塁とされたが下位打線を退けた。

　中西投手コーチが「変化球が低いゾーンに入り出した」と振り返った四回は、二死一、三塁で赤星の好守に救われた。五回も先頭の高橋由に中前打されたが、谷を新球ツーシームで遊ゴロ併殺に仕留めた。「イメージ通りだった」と左こぶしを握った。

　家族の存在が背中を押す。昨年５月に美佳夫人（２４）と入籍し、１１月には長男・輝大くんが誕生。携帯電話の待ち受け画像だけでは飽き足りず、愛息の成長を記録するデジタルカメラも遠征バッグに忍ばせる。「嫁と子どものために今年は絶対にやらんとアカン」と気合が入る。

　大阪桐蔭高２年冬に発症したＩ型糖尿病は、１日４回のインスリン注射が欠かせない。それでも「３年目でチームの動きの流れが分かってきた」とプロの水にも慣れて体調管理に不安はない。

　岡田監督は「（左腕は）シモ以外はおらんかったけど抜け出した。というか、今のメンバーでは他におらんやん」と合格印を押した。２３日のアスレチックスとのオープン戦（東京Ｄ）を経て、横浜との開幕３連戦（京セラＤ）の２戦目（２９日）の出陣が有力だ。

　「打倒巨人でやっているんで負けられなかった。（相手先発のグライシンガーと）ちょっとでも張り合おうと思った」

　昨年の最多勝右腕を敵に回しても一歩も引かない。４月５日の巨人戦（東京Ｄ）ではＧ斬りの再現を目指すことになる。若虎らしい生きのよさが頼もしい。


[ 2008/3/17 8:02 更新