いよいよ明日キャンプイン

トラの新主砲３１歳、新井“休日返上”や！誓いの８９スイング
サンケイスポーツ - 2008/1/31 8:01

　虎の新主砲３１歳、誓いの８９スイング−。阪神・新井貴浩内野手（３１）が誕生日と重なった３０日、春季キャンプ地の沖縄・宜野座入り。即座に宜野座球場に向かい、ノックやフリー打撃を黙々と敢行した。２月１日のキャンプインを前に、決意を体で示して見せた。

　合同自主トレを行っていた選手たちは、とっくに引きあげていた。静まりかえった宜野座ドームに、新井の息遣いと打球音だけがこだまする。３１回目の誕生日を迎え、決意の８９スイング。約２０分間。鋭い快音に、強い思いがにじんでいた。

　「（感触は）ボチボチですね。誕生日？　特に何とも思わないですよ」

　賭ける思いが体を突き動かす。広島から沖縄に入り。あいにくの曇り空だった。宿舎でタイガースのロゴが刺しゅうされたトレーニングウエアに初めて袖を通すと、「予定通りですよ」。迷わず球場に向かった。

　初めての宜野座の地で、新相棒の感触を確かめた。広島時代に使っていた３５インチ（８５．０９センチ）より、甲子園仕様に新調した３５．７５インチ（８５．７３センチ）のバットでコースに逆らわず、広角に打ち分けた。この日キャンプ地入りしたナインの中で、ただ１人“休日返上”で振り込んだ。

　今オフは北京五輪予選とＦＡ移籍などで多忙を極めた。ウエートトレを行った回数は昨年の半分以下。調整は１カ月半遅れていた。広島時代は１月中旬からの合同自主トレでボールを使った練習もできたが、今オフは軽めのキャッチボールをしたり、素振りをする程度。急ピッチで筋力トレをして、勝負できる体に戻すことを最優先。移動日とはいえ、ムダには過ごせない。悲壮な思いが背中を押した。

　ノックの際、手にしたのは三塁手用のグラブ。キャンプ地にはファーストミットも持ち込んだが、長年連れ添った“相棒”を選んだ。岡田監督は「（新井は一、三塁の）両方やらせる」。三塁は今岡との争いになるが、「関係ないですよ」。まずは、自分のことに集中する。その強い思いが、この日の行動に凝縮されていた。

　「まだ、阪神での練習の流れがまったくわからないんで…。第１クールは様子を見ながらになると思います。もちろん、やることはしっかるりやりながらです」

　新たな年輪を刻んだ主砲は、２・１にタテジマの戦闘服を身にまとう。気持ちも自然と高ぶる。新井のプライドをかけた挑戦の１年が、いよいよ始まる。


[ 2008/1/31 8:01 更新 ]