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彼女とくろ助の話。④ラスト!

2015年03月22日 22:02

はい、タイトル通りラスト
実は…これ、やってることを抜かすと本当は暗い話なんです(真顔)
それでも最後が気になるぞ!って方はそのまますすんで下さいー。
























永遠に続くものなんて無くて、

始まりがあれば

終わりもある

この関係でさえも








彼女とくろ助は3年になり、クラス替えしても同じクラスにはならなかった。

3年になると受験などの準備で忙しくなる。

くろ助もそれなりに最後の学校生活ともあって部活や役員などに勤しんで彼女との時間は少しずつ減っていっていた。

彼女は…少しずつ距離が離れていくことに何を思ったのだろうか…。







あっという間に、卒業の日を迎えた。

くろ助は進学で地元を離れることになる。
そして彼女も噂で東京へと上京する話を聞いた。

彼女に会うこともそうないだろう。


くろ助と彼女は…終わりの言葉を告げぬまま、終焉を迎えたのだ。



















これで、何もかも

彼女とくろ助の関係は

終わる
























いや















終われば良かったのに……。





















くろ助が専門学校に入って1年がたったある日。


PC教室で馴染みのメンバーで居残り勉強をしていた時、くろ助の携帯が鳴った。

『ごめん、くろ助のだ』

鞄から携帯を取り出して画面を見ると……


『……………え…』


彼女の名前が表示されていた。

一瞬にしてあの頃の記憶が鮮明に浮かぶ。

(……なんで…)

鳴り止まない携帯。くろ助が出ない事を不思議に思うクラスメート達。
暫くして不在着信と出た。

『くろ助…?』

心配そうに名前を呼ばれた。

『あ…いや、なんでもないよ』

へらっと笑い勉強を進める。

(…彼女から…電話…何かあったのか?)

嫌な予感がする。
どうしようか…。折り返し電話をした方がいいのか。そう思っている内に彼女からメールがきた。



【今◯◯の駅にいるの】



携帯を落としそうになった。
彼女は今…この近くに来ている。
なぜ…今更、くろ助に会いにくるのか分からない。

『…大丈夫?もう今日はここまでにしようか』

クラスメートがくろ助の異変に気付きPCの電源を切った。何人かそのままの流れで帰って行く。
教室に残ったのは杉ちゃんとノッポ君だ。

『くろ助、どうしたの?』

この2人はくろ助が高校時代彼女が居たことをカミングアウトしていた。成り行きだったのだけれど。

『………彼女が、来ている』

『はっ?!マジで?』

杉ちゃんがびっくりして声を上げた。
またメールの受信音が響いた。

【道に迷っちゃった。◯◯学校ってどこ?今◯◯って所にいるの】

確実に近付いている彼女
友達2人は口々に『これはリアルメリーさんだ』と言って騒いだ。
空模様が怪しい。
そういえば、今日は夕方から雨の予報だったな。

『どうするの?追い返そうか?』

何事も面白ければいい思考の杉ちゃん…。巻き込みたくはない。これはくろ助と彼女の問題なのだ。

『いや、いいよ。なんとかする』



【人に道を訪ねて今学校前の坂道登ってるよ!雨が降ってきちゃった】



『本当に大丈夫?』

ノッポ君は優しい。女々しい男だけど、本当にいい人だ。

『平気だってば。相手は女の子なんだしさ。ほら帰ろ』

PC教室の鍵を締めて出ていく3人。2階の窓から外を見ると雨が降っていた。

(…最近の天気予報って当たるな………っ…?!)

目線を下へとおろした。

人影が、雨の中傘もささずに、ぽつんと立っていた。




彼女が、

学校の前にいた。



それには流石に友達もくろ助も怖くて窓から離れた。

『あれはヤバイって!大丈夫なの?なんか雰囲気怖いよ!裏口から出よ!』

くろ助も一瞬退いてしまったが、髪の長い女性が傘をささないで立ってるだけだ。

でも、少し怖かった。色々な意味で。

『落ち着いて。もう来ちゃってるし…仕方ない。くろ助の寮に泊めて帰って貰う』

2人は何度もくろ助を止めようとするが…このままではいけないと思った。







2人には申し訳ないけれど裏口から出ていってもらった。

玄関へと向かうくろ助。

なぜ1年経った今になってくろ助に会いにきたの?

今でもくろ助が好きなの?

何を思ってるの?

色々な疑問が浮かぶ。
彼女の気持ちはいつも分からない。


『くろ助ちゃん、久しぶりね』


変わらずの優しい声色でくろ助の名前を呼んだ。










寮について先に風呂に入って貰う。流石に風邪をひいてしまうのは困るから。

『……どうしたの…?』

先に切り出した。
彼女の真意を知りたい。

『んー…くろ助ちゃんに会いたくなって』

にこっと笑う彼女
会いたくて相手の予定も聞かずに急に来るものなのか?

『……そう、仕事は…その、大丈夫なの?』

彼女は、いや元々昔からある劇団に入っていて将来は舞台に立ちたいと夢みていたのだ。勿論それがあって高校時代に『変わった人』で有名だったのだけれど、卒業東京へと仕事で上京したはずだ。

『あっちは…ちょっと色々あって、こっちに帰ってきたの。小さな仕事だったら通いで行けるから』

………色々は聞かない方がいいのだろうか。
話が脱線した。いや、これはある意味チャンスかもしれない。

『…こっちに帰ってきたから…何?』

出来るだけ冷たい言葉を吐き出した。

『あ…くろ助ちゃん元気かなって』

違う、彼女の真意はそこじゃない。
あわよくば…を予測して彼女よりも先の一手を繰り出さなければまたあの関係に戻ってしまう。

くろ助もこの1年色々あった。
沢山の人にあって、考えさせられ、経験してきた。

もう、間違えてはいけない。

『…くろ助は、オモチャじゃないよ?』

彼女の表情が曇る。目線を逸らされた。

『………私たち、戻れないの?』

弱々しい声で、彼女が問いかけた。

『戻るも何も、くろ助との関係には何もなかったはずだよね。恋人とか思ってた?』

泣きそうな顔をする彼女
ここで優しさを見せたらいけない。
手が出そうになるのをなんとか押さえた。

『…私はくろ助ちゃんのこと』

『違うよね。あれは好きじゃなかった。本当の事を言いなよ』

最初に気付いてあげれれば良かったのに。

可笑しかった所なんていっぱいあったじゃないか。


彼女は…。


『……裏切らない存在が欲しかったんでしょ?』

涙が、止まらなかった。
零れる雫が綺麗なシーツに落ちる。

くろ助が推測するに、
元々昔から劇団に入ってそれが原因で浮いた存在となっていた彼女
彼女にとって周りは影口を隠した偽りで溢れていたのだろう。

『信じれるものがいない』

一緒に笑い合っても、裏では何処か冷めていて。
心から話せる人がいない。
きっとそれは、くろ助が想像するより寂しく辛いものだと思う。

そこで彼女が友達を待っていた時に出会ったくろ助。
くろ助自体が彼女に無関心でいる存在。
彼女はくろ助に興味を持った。

興味=好きとまず履き違えていた。

そこから身体に関係を持つようになり
一人の人間を押さえ込み自分の良いようにすることで得られた快感を愛することだと勘違いしていた。


好きと言葉にするだけで、彼女は満たされていた。

くろ助は何も言わないから。

可もなく不可もなく、彼女の隣にいる存在。

彼女を傷つけず、裏切らない存在がくろ助だった。



『……今でも、くろ助が必要?』

彼女が全て悪いわけじゃない。
あの時少し、人を好きになるのが彼女にとって早すぎただけの話なのだ。

しかし、くろ助も彼女を背負って生きていくつもりもない。

返答次第で部屋を追い出そう、心に決めた。

『…………私には……くろ助ちゃんが、必要なの』

『……そう』

よし、と腰をあげたら手を掴まれた。

『私と友達になって!』

『……………え、あ…はい』


忘れていた。
彼女ストーカー並みにしつこい人間だってことを。








こうして、彼女はくろ助の友達になった。





end?







の、続き。

『くろ助ちゃん、元気ー?』

彼女は定期的にくろ助に電話をしてくる。
今は劇団自営業の事務仕事を頑張っているそうだ。

『あー元気元気』

気だるげに、面倒くさそうに喋るくろ助。
に対し、電話口で息荒々しく喋る彼女

『くろ助ちゃんが、喋ってる!可愛くて辛い…!』

くろ助、そろそろ彼女の友達をやめていいだろうか。




end。

半分強制終了っぽいですが。
長々書くことが出来ないのでこれで区切りたいと思います。相変わらず彼女とは電話やメールのやり取りはしていますが……くろ助は彼女の友達をやっていく自信がありません(笑)
とりあえず彼女日本語が理解しがたくて…。

今回は結構シリアスーな話ですが、これリアルですからね。リアルメリーさんとか本当に怖かったです。和解?はなんとか出来て良かったですけどね。

さて、時間軸は本当ならみっきーなのですが、これは前の時書いたので…他!他行きましょう。
色々暴露しておりますが…某SNSの話でもしましょうか。これも色々危険でした。
それではまた明日!

このウラログへのコメント

  • けい☆ 2015年03月22日 22:13

    これってリアルだよね?ってほんと小説読んでるみたい。
    なんか、くろ助さんの人生波乱万丈って感じだね。

  • くろ助 2015年03月22日 22:22

    > けい☆さん

    リアルですねー。
    まだ序の口ですよ(笑)
    成人を迎えたくろ助の方が色々やらかしてますからね。良かったら次回も読んで下さい!

  • コヴナント 2015年03月22日 22:36

    凄い経験ですね
    未知の世界です
    勉強になりますm(__)m
    表現うまいですね
    興奮しちゃいました

  • くろ助 2015年03月22日 22:47

    > コヴナントさん

    初めてのコメントありがとうございます!
    結構やんちゃさんなので色々手を出してしまってます。
    次回も見掛けたら読んで下さい!

  • ケンたん 2015年03月22日 22:53

    友達2人の気持ちはめちゃわかります!笑 さすがに止めますよそれは( ̄▽ ̄)

  • くろ助 2015年03月22日 22:56

    > ケンたんさん

    ほら、長引くのも怖いし…ここで決着をつけよう!ってなったのです。
    翌日2人は『昨日はどうだったの?!』って煩かったです(笑)

  • ぷかぽん 2015年03月23日 00:44

    くろ助さんは大人だね( ゜ρ゜ )

    自分と相手を客観的に観れて

    すごいと思うよp(^-^)q

  • 反省親父 2015年03月23日 05:21

    おはよう♪

    でも少し感謝もしなきゃね
    その経験が有ったから今の~恋人~と出会ったんだろうからね♪

  • fluffypuff 2015年03月23日 05:58

    納得というか、安心したよ。これからのログも楽しみすぎる♪そして現在以降の君も見ていたいなぁ~

  • 捧げます。あなたに私の,ざい 2015年03月23日 08:58

    こ・わ・い!
    ある意味ホラーだった。たまに来るメールは、迷惑メールだね!

  • くろ助 2015年03月23日 12:19

    > ぷかぽんさん

    人生の成長って、本当に尊いものだなと思いました。
    きっと彼女と1年の空白がなかったらくろ助たちは何も変わらなかったかもしれません。

  • くろ助 2015年03月23日 12:20

    > イヴ§さん

    イーヴーさーん………ってなんですかこれは(笑)

  • ま~くん♂ 2015年03月23日 12:20

    次回予告!
    彼女とくろ助の話!SNS編ですか?笑

  • くろ助 2015年03月23日 12:20

    > 反省親父さん

    こんにちは!

    そうなんですよね!これがなかったらそういう世界?もあるって興味もわきませんでした(笑)

  • くろ助 2015年03月23日 12:22

    > fluffypuffさん

    あは、最後まで読んで下さりありがとうございます。色々ご心配おかけしました(笑)
    良かったらまた見てくださいね?

  • くろ助 2015年03月23日 12:23

    > AKIOさん

    たまにくるメールをよくシカトしております(笑)
    返事が要るのか要らないのか分からない内容なので。

  • くろ助 2015年03月23日 12:24

    > ま~くん♂さん

    残念(笑)
    今度は彼女じゃございませんー。
    男性になりますからご注意下さい。

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