お着物旅行-起

着物の着付け教室に通ってて

月に一度　お着物でお出かけ

何ヶ月かに一度

お着物で旅行っていうのがあって

夏前に東北まで行った時の話

参加する気はなかったんだけど

担当の先生の藤本先生に

参加するようにしつこいくらい勧められて

参加してきました

お昼は体験教室とか　散策なんかして

宿に到着

食事をして部屋へ

なんか　変な部屋割りになってるような・・・

生徒さんたちは4階で

スタッフさんたちは5階

これは　わかる

5階に2室

加藤チーフと坂口主任で1部屋

これは　わかる・・・

あ、最初に参加者紹介

着付けの先生藤本先生48歳

で、教室の担当が井本ちゃん26歳

その上司が加藤チーフ43歳

で、その上　数個の教室の統括が坂口主任48歳

話を戻して　井本ちゃんと藤本先生で1部屋

これなら　わかる・・・

けど　なんでそこにわたしがいるわけ・・・？

「やがみさんは　特別だから」と藤本先生

「そうなんですか・・・？」


藤本先生が　おトイレに行った時

「やがみさん　ごめんなさい　ごめんなさい」と井本ちゃん

なんで謝るのかな・・・？

たかが　部屋割り程度のことで・・・


お風呂・・・

みんなと一緒に入ったら

ちょっとやばいんで　少し時間をずらして

つるつるについてあれこれ聞かれそうだし

答えるのが面倒だしね


あ、やばっ　まだ　誰かいる・・・

でも　教室の人じゃないな・・・

肩先にタトゥって　いるわけないし・・・


「やがみさんっ」

「えっ・・・って・・・」

なんと　タトゥ女性は井本ちゃん

いまどき　若い子のタトゥなんて珍しくないけど

真面目そうで着物屋さんの社員って

イメージがあるから　ちょっと意外・・・

「見ちゃいました？」

「えっ、肩の、あ、なんもなんも・・・」

「見られちゃったんですね　　って　やがみさんそれ」

「あうっ、いや　これは・・・」

お互い　あまり見られたくないもの見られたって感じ？

もっとも　わたしの場合は

なんだかんだと聞かれるのが煩わしいからだけど



「やがみさん」

「はい・・・？」

「なんでもしますから　この事は」

「あ、うん、わかった　誰にも言わない」

「助かります　この事知ってるのは藤本先生と」

「うん・・・」

「チーフと主任だけですから」

なんかすごいつらそうに言う井本ちゃん

何となく　わかったような・・・

井本ちゃんのごめんなさいの連発

あの部屋割りの意味も・・・


「井本ちゃん・・・」

「はい？」

「この後　なんかあるんだね・・・？」

「えっ、あの、すみません」

「何があるかわかった気はするけど、いつもなの？」

「はい」

「井本ちゃん　嫌なんじゃないの・・・？」

「いえ、あの、うん　実は」

「でも　逆らえないから仕方なく・・・？」

「はい　　」

「じゃあさ　この後　井本ちゃんは生徒さんの様子見にいきなよ」

「えっ？」

「その後は　わたしがなんとかするし・・・」

「でも　それじゃ　やがみさんが」

「多分　藤本先生は　わたしならって思って　

あの部屋割りにしたと思うから・・・」

「そうだと思います」

「つくづく　こういう世界を呼び込んじゃうな・・・」

「えっ？」

「どうもね　わたしってこういうのを引き寄せるみたい・・・」

「そうなんですか？」

「だから　井本ちゃんも覚悟してね・・・」

「えっ？」

「井本ちゃんが巻き込んだんじゃないから

多分　巻き込むようにさせられた感じだと思う

わたしの性がそうさせたんだと思うから・・・」

「そんなことないです　あう」

あまりに可愛いんでキスしちゃったし・・・

「後で　井本ちゃんの全て教えてね・・・」

「全てって？」

「言葉のままよ・・・」

部屋に戻ると　少しほろ酔いの藤本先生

「おかえり　これから主任達の部屋で飲むけど　どう？」

「いいですよ・・・」

「あ、わたし　生徒さん達　見てきます」

「えっ、井本さん」

藤本先生の手を握る

「今日は井本ちゃんを解放させてあげましょうよ・・・」

「えっ、やがみさん？」

「話は聞きましたから・・・」

「えっ、いいの？」

「嫌でも巻きこむ気でしたでしょ・・・？」

「まあ、そうなんだけど」

「楽しい夜にしましょう・・・」

もし　無意識に引き寄せてしまったものなら・・・

拒むか受け入れるか・・・

ちあきがそうなように・・・

　　　　　　　　　　　　　・・・わたしも受ける