【ツンデレハート】キュン…☆ ってする瞬間

12月6日。妹ちゃんの場合。

さあ、お兄ちゃんが帰ってくるまでに飾り付けをするのだっ！
「もう始めてるわよ～。うふふ」
母さん……散らかしてるだけなのだっ。
「あらまぁ！不器用で困ったわね～」
母さんは片付け方を頼むのだっ。
「あらあら。食事でも作れるわ～」
母さん、息子の誕生日を命日にしたいかなのだっ！
「あらまぁ！物騒ねぇ。そこまで料理は下手じゃないわぁ」
レパートリーの問題なのだっ。めでたい日に葬式料理は要らないのだっ！
「ううう～」
しぶしぶ片付け方にシフトする母さん。
料理は新進気鋭ちゃんに委せるのだっ。
「いま、ケーキを焼いてて手がはなせないっす」
幽霊ちゃん手伝うのだっ。
「わらわも手伝う気満々なんですが～。幽霊なのでモノに触れないのですよ～」
テレキネシスでも法術でも使うのだっ。
「そんなのないですよ～」
役立たずなのだっ！
「応援でもしますよ～」
雅な舞いをする幽霊ちゃん。
士気が上がらないのだっ！
「おかしいですね～」

ピンポーン
はーい！
「兄く～～ん！！」
むぎゅうう～
アイドルちゃん落ち着くのだっ。わたし妹の方なのだっ！
「あっ妹ちゃん。ごめんなさいですっ！兄くんの誕生日に馳せ参じたですっ」
どどーん！
巨大なアドルフさんぬいぐるみを置くアイドルちゃん。
「ぴよぴよ～」
何体目なのだっ？
かさばるのだっ！
まだお兄ちゃん帰って来てないのだっ！
「じゃあ、手伝うですっ」
「助かるっす！」
わたわたわたわた……

ピンポーン
はーい。
「お兄様～～♪」
むぎゅうう～
違うのだっ！
友達ちゃん。来たのは嬉しいけど、準備がまだまだなのだっ。
「外は暗くなりましたわ。急がないと！」

わたわたわたわた

ん。気配！
帰って来たのだっ？

「うわ。やめろ！俺だ俺だだぞ！」
父さんにクラッカーを誤爆するところだったのだ。

「さすがにそろそろ帰ってくるんじゃないかの？準備を急がないとだぞっ」

「ケーキ出来たっす！」
隠すのだっ。
「食事出来たですっ」
盛り付けるのだっ。
「ぴよぴよぴよぴよ」
お兄ちゃんの席にでも乗ってろなのだっ。
幽霊ちゃんはいつまでも踊ってるななのだっ。

「さあみんな！衣装に着替えますのよっ」

……遅いのだっ。
「珍しいんだぞ♪」
「ひょっとしたら朝帰りかしら♪」
なんか不安なのだっ。誰か偵察するのだっ。

「じゃあ、行ってきますよ～」
壁をすり抜けて外へ出る幽霊ちゃん。

「大変ですよ～」
直ぐに戻って新進気鋭ちゃんに耳打ちする。

「え？見てくるっす」



「わ～！！」
なんなのだっ？


続く！