スクランブル交差点

休日の午前、所用で渋谷に立ち寄った。ハチ公前の交差点は、平日とは少し違った空気が流れている。通勤の足早さとは別の、どこか柔らかいリズム。晴れ渡った空の下、街全体が明るく開けて感じられた。青空を背景に立ち並ぶビル群の広告がよく映え、都会ならではの活気を真正面から受け止めるような時間だった。

スクランブル交差点に立つと、観光客らしい人々が写真を撮り、家族連れが笑顔で歩き、学生たちの会話が弾んでいる。人が絶えず行き交うこの場所は、エネルギーに満ちているが、不思議と疲れを感じさせない。多様な人の流れが絶えず交わる都市の中心に身を置くと、自分の視野も自然と広がっていくようだ。

年末が近づくにつれ仕事の予定も密になっていくが、こうして街の空気に触れると、気持ちの整理がつきやすい。会社のことを頭の片隅に置きつつも、あえて考え込みすぎない時間を持つことで、結果的に良い判断ができることも多い。

特別な用事をしたわけではないが、清々しい空と街の活力に触れるだけで、気持ちが軽くなる。こうした小さな外出が、日々のリズムを整えてくれる。午後からはまた自宅で資料に目を通す予定だが、良いスタートが切れたように感じる。

休日の穏やかな渋谷の午前。慌ただしい日常の中で、こうしたわずかな余白が、次の一週間に向けたよい準備になった。