アーリオオーリオ

今日は久しぶりに、仕事の予定も外出の用事もない一日だった。
こういう日は外で食事を済ませるより、台所に立つほうが心が落ち着く。
平日はどうしても“効率”が前に出るが、休日くらいはゆっくりと火を扱い、香りを確かめながら料理したい。

冷蔵庫を開けると、ちょうど良い具合に青菜とベーコンがあった。
迷うことなく、シンプルなペペロンチーノ風のパスタに決めた。
ニンニクを刻み、オイルを温め、そこに香りが立ち上がった頃に唐辛子をひとつ。
じんわりとした辛みと、ベーコンの旨みが重なり合う瞬間が好きだ。

茹で上がった麺をフライパンに移し、青菜をさっと絡める。
鮮やかな緑が混ざり合い、湯気の奥から心地よい香りが立ち上がった。
盛りつけてからひと口すすると、休日らしい穏やかな味わいが口いっぱいに広がる。
力強さではなく、じんわりと染みる美味しさだ。

外で食べる料理もいいが、自分のペースで作り、自分のタイミングで食べる一皿には、また別の満足がある。
台所に残った温かな空気が、ゆっくりと休日の静けさと溶け合っていく。

この穏やかな時間が、また来週の仕事を支えてくれるのだと思う。