思わせぶりな新入社員5

「ガチャッ！」
ドアのカギを内側からかけドアに張り付き、今までのようにややうつむき加減ながらも、今度はチラ見じゃなくじっと僕の目を見つめている。
慌てふためく僕。
「ど、どうしたの？Tさん？」
「、、、、」
黙ってじーっと僕を見ている。
「さぁ、紙を持って戻ろう？ね？」
「、、、、」
何も答えず、しかしドアに張り付いてドアノブを絶対触らせない、ドアは開けさせない、という意思をひしひしと感じる。
いったん紙を持ってドアの方向に歩もうとする僕、、ちょっと半笑いしながらTちゃんに声をかける。
「さぁ、行こう？何か質問とか気になること、言いにくいことがあるならまた後で聞くよ？仕事が終わったらってことにしよっか？」
僕がそう言い終わるやいなや、Tちゃんが小さな声でしゃべり始めた。
「こんな誰も来ないような密室で男女二人きりって、、んふっ、、どう思いますぅ？」
まさかの展開に、何かの罠か、僕は窮地に立たされた感じに襲われた、、

　　　　つづく