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「マザー」レビュー☆

2022年10月10日 02:52

「マザー」レビュー☆

長澤まさみ主演他。こんな母親でも僕にとって世界(すべて)。すべてを狂わせる<この女>聖母か。怪物か。男たちとゆきずりの関係をもち、その場しのぎで生きてきた女・秋子(長澤まさみ)。シングルマザーである彼女は、息子の周平(奥平大兼)に奇妙な執着を見せる。周平を自分の分身として、忠実であることを強いる秋子。そんな母からの歪んだ愛の形しか知らず、それに翻弄されながらも、応えようとする周平。周平の小さな世界には、こんな母親しか頼るものはなかった。やがて身内からも絶縁され、次第に社会から孤立していく親子。そして、17歳に成長した周平は、ひとつの殺害事件を起こす。妹・冬華の存在に希望見出し、学ぶことで自分の世界を広げようとした周平を何が追い込んだのか?彼が罪を犯してまで守ろうとしたものとは?母と息子。ひとつの殺害事件。実話をベースに描く衝撃作。

9/10点!!「(秋子が)いないとどうしていいかわからない」ではなく、「お母さんのことが好きだ」と周平は言った。この言葉がこの事件の切ない真実なのだと思う。だって周平は「ずっとダメだと知っていた」のだから。秋子は自分の身を堕とすのではなく、傍にいる存在を堕とす、たとえそれが大切な人でさえ誰彼問わず寄りかかれると思ったら寄りかかる恋愛依存なのだと思う。そうすることでしか生きていけないと思い込んでいる人間は世の中に一定数いるし、そういう人を知っている。本作では長澤まさみが演じているから美人だけど、世の男性は顔が良くなくてもスタイルが良くなくても、一瞬の気の迷いで女性を抱いてしまうし、してしまったら最後、情が湧いてしまう生き物なのだと思う。周平の小さな世界の法律は秋子そのもので、その法律はいつも間違った答えしか示してはくれない。おかしい、ダメだと思っても、法律だから従うしか道はないのだ。それでも、逮捕されることで、秋子と引き離され、周平は共依存から抜け出せるかも知れない。けれど、秋子は一生抜けられないと思う。抜け出すことを拒絶しているし、ロックオンできる可能性が高い周平を手放すわけがないから。周平が共依存から抜け出せたとしても、秋子が抜け出せなかった場合、周平の心はきっとずっと苦しい。それが虐待された子の典型的な特徴であり、典型的なのに抜け出し、完治する方法はいまだないからだ。周平役を演じた奥平大兼(おくだいらだいけん)と郡司翔がとても上手くて驚いた。是枝監督に演出されているのかと思った(爆)長澤まさみも素晴らしくて、作品をリードし質を上げていたし、「キングダム」じゃなくて本作で日本アカデミー賞を獲るべきだったと思った(爆)2020年公開。

このデジログへのコメント

  • ザンキンドーナツ 2022年10月10日 06:39

    長澤まさみ、、円熟の領域に入りつつありますね! 見てみます

  • はらぺこ 2022年10月11日 21:09

    ログ読ませてもらって、、観たいですヽ(*´▽)ノ♪

  • ユリ 2022年10月13日 00:36

    > ザンキンドーナツさん
    このまま化けなかったらどうしよう東宝シンデレラと思ってましたが、とても良い作品も多くなってきましたよね(^^)

  • ユリ 2022年10月13日 00:37

    > はらぺこさん
    テーマがテーマなだけに重たいし大コケする可能性もあるしで先延ばしにしていましたが、ぜひ~(^^)

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