- 名前
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- ガツガツして欲しい貴女、他の方をお訪ねください。 まったり、ねっとりの専門店です。但...
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鬼のいない地獄をさがして
2017年05月29日 05:29
おはよう\(^∇^)/
Q:【お薦めの小説】
A:都筑道夫サンの作品
基本は推理小説の人
だが時代小説からSF
まで守備範囲は広い
推理小説の好きな人たちの中では《知る人ぞ知る》の存在だけど、亡くなられてから久しい。
昨年、高円寺の古本屋サンが自費で出した冊子に特集したことから、特に中央線沿線で人気が再燃した。
私が好きなのは
オナキガワ
女泣川ものがたり
風流べらぼう剣
――続 女泣川ものがたり――
の二冊。江戸時代の人情話だ。
天保改革後の江戸は深川のお話。
小名木川近くにある長屋は、実は、隠し売女の巣。
旗本の若隠居・左文字小弥太は、その地獄宿の用心棒にやとわれた。
「小名木川は、女の泣く川と書いたほうが、いいと思いますよ。
深川じゃあ、岡場所のあったころから、たくさんの女が泣いてますから――
あの川は、女の涙があつまって流れているんです。そのかわり、あの川に涙を流して、女はすぐ立ちなおるんですよ」
そう話す隠し売女のお関、元締めなのに自らも客をとる。
「どうせ地獄なら、鬼のいない地獄を」と、女たちだけの隠し売女の巣をまもるお関。
腰の大小は酒にしてしまい、竹光を差す小弥太だが、この竹の箆が、べらぼう村正と恐れられることになる。
竹光剣法という、剣豪小説としてばかりではなく、江戸情緒溢れる正確な時代考証も嬉しい。
謎解きの部分では本領を発揮し、乾いた筆致が、作品をベタつかない人情話に仕上げている。
小弥太のダンディズムがたまらない。
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