- 名前
- ぱすかる
- 性別
- ♂
- 年齢
- 73歳
- 住所
- 福島
- 自己紹介
- 中身は40代。 気が弱く臆病だが、ココロは獰猛。
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余命3ヶ月のガンは、食事で消えた
2016年03月16日 08:38
食べ物は薬ではありません。しかし、丁寧に食事をすることによって体は3カ月で変えることができるのです(写真 :ぱぱ~ん / PIXTA)
仕事の質を高めるためにも、集中力を維持するためにも、要となるのは健康。最近、食の力が見直されているのも「私たちの体は食べ物でできている」という認識が広まっているからかもしれません。
食べ物は薬ではありません。しかし食には、私たちの生命力をみなぎらせる力があります。四季を意識し、体に耳を傾け、食を丁寧に取り入れること。そうやって体をいたわっていくことで、3カ月後の次の季節には、自分の中に変化が生まれていく。自らの経験から、私はそう信じています。
食生活を変えたら余命3カ月のガンが消えた
31歳の時に余命3カ月のガンを宣告された私は、人生の最期を楽しみたいと、車椅子を使い飛行機でパリへと旅立ちました。印象派の画家、クロード・モネが愛した「ジヴェルニーの庭園」とモネの絵をもう一度見ておきたいと思ったからです。
奇跡のような出来事が起きたのは、モネの庭園を訪れた帰り道のことでした。抗ガン剤の副作用で口の中がカラカラに乾いていた私は、水の代わりにモンマルトルのマルシェ(市場)で購入した、大嫌いなトマトをかじるはめになったのです。しかし、その瞬間、砂漠のように乾いていた口内が唾液で潤い、味覚障害だったはずの舌が甘酸っぱさを感じました。このとき、生まれて初めて、食べることは生きることだと気づいたのでした。
この出来事がきっかけとなり、その後、フランスでフレンチを、中国で薬膳を学び、気づけば余命3カ月のガン告知を受けてから17年が経っていました。現在は鎌倉でオーガニック薬膳の料理教室を主宰しています。
著書『余命3カ月のガンを克服した私が食べたもの』では、ガンを克服した私の日ごろの食生活、健やかな体を手に入れるための方法を紹介しています。そこでここでは、忙しい毎日を送る皆さんが、手軽にすぐに使える3つの工夫をお伝えしたいと思います。
・工夫1:春夏秋冬、旬の食材で体の不調に先手を打つ――花粉症対策には清見オレンジのお茶を
人間が最も感じやすいのは、季節による体の変化です。春には風が強く吹き、梅雨時には湿度が高くなり、真夏は太陽光線が強い、というような季節の環境に、私たちの体は対応していかなくてはなりません。
旬の食材を取り入れて体調改善を
たとえば、風が舞うように吹く春と秋にはアレルギーが出やすくなります。代表的なのは花粉症でしょう。花粉症になると、1日中、鼻づまりがして頭が重たく感じられるものです。つらい症状を緩和するために、春のレシピとして私が考案したのが「金柑とうどの鶏肉ミンチがけ」。金柑の酸味で唾液の分泌を促し、うどのさわやかな香りと食感の料理で偏頭痛が改善され、花粉症が軽くなっていきます。「清見オレンジとトラ豆のルイボスティー」もおすすめです。清見オレンジとトラ豆を乾煎りしたところにルイボスティーを加えてお茶にします。
また、昔から「春は芽吹きのもの、山菜ものを食べるといい」といわれています。苦味のある野菜には、冬の間にたまった毒素を出す働きがあります。山菜を入手するのが難しい場合は、かいわれ大根やブロッコリースプラウトなど芽吹きのものを意識して取るといいでしょう。
気温の上昇とともに体温が高くなる夏は、トマトやきゅうり、ピーマン、なす、オクラといった季節の生野菜をバリバリとそのまま食べるのがおすすめです。生野菜を食べることで体の中からクールダウンできれば余分なエネルギーを使わずにすみ、結果的に体調を維持することができます。
秋は夏の疲れが出やすい時期です。そういうときは、気を緩める穀物の作用を使います。キヌア、アマランサス、ヒエ、アワといった小さい雑穀をごはんに混ぜて炊きます。毎日のごはんで小さな雑穀を食べることで自然に栄養を取り、体をいたわることができます。
冬は血になる食材を食べて、消化吸収や循環、排泄を促すことが大切です。中国の漢方では、血を増やすには赤い色の食材を食べることをすすめています。クコの実、紫キャベツ、紫いも、干し柿、ラズベリーなどが赤い食材の仲間です。肉類では牛もも肉や鹿肉などの赤身、魚はまぐろ、かつお、ぶりなど血合いのあるものが当てはまります。
・工夫2:翌朝がスッキリする食習慣――焼肉にはキムチとヨーグルトと白湯を
人間の体はいろいろな部品でできていて、それを操作するのは食材の力です。体にいいものを食べていれば、どの部品も正常な働きをしてくれるため、めったに故障は起きません。
白湯を飲んで胃腸を目覚めさせよう
私の料理教室の生徒さんには、「朝にはまず、白湯を飲みましょう」と話しています。白湯とはいったん沸かしてから湯冷まししたもので、温度は60~80度が適温です。
冬は熱めにし、夏はぬるめにすると飲みやすいでしょう。ぬるま湯程度の人間の体温に近い温度の白湯は、ゆっくりと胃腸を目覚めさせ、全身の血流を促してくれます。そうして、朝の食べ物を受け入れる準備をするのです。
また、お肉などの動物性たんぱく質や脂質を取るときには、ほんの少しだけ工夫をします。酸化した脂質を体に残しておくとさまざまな病気の引き金になってしまうので、その日のうちに掃除しておくことが肝心です。
お肉を食べたときは、締めに生野菜のサラダをたくさん食べます。焼肉を食べるときには、まずキムチを食べます。乳酸発酵食品のキムチには、腸の働きをよくしてくれる働きがあるからです。特に、大根キムチのアミラーゼと白菜キムチのグルタミン酸をお腹に入れてからお肉を食べると、消化がぐっとよくなります。
焼肉をいただいたあとは、ヨーグルトと白湯を摂ります。お肉をいただいた夜は、白湯をたくさん飲んで寝ます。こうすると翌朝はスッキリと目覚めることができるのです。
・工夫3:食材で体を癒す――アールグレイが飲みたいときはストレスのサイン、痛みや発熱にはセロリを
体はそのときどきの調子に合わせて食材を欲しているものです。たとえば、紅茶のアールグレイの香りづけに使用されているベルガモット。今から500年以上も前、コロンブスがカナリア諸島で原木を発見し、スペインやイタリアに広めたといわれています。ベルガモットの香りは鎮静作用と高揚作用の両方をあわせ持ち、精神のバランスを取って安定させる働きがあります。
症状にあわせて食材を選ぼう
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そのため、アールグレイの紅茶が飲みたい気分のときは、潜在意識の中にストレスや怒りといった感情を抱えている可能性があります。そうした状態のときには、下痢、便秘、食欲不振、過食など神経系の胃腸トラブルを発生しがちです。これらの症状の緩和にはベルガモットの香りが適しています。
それから、肝機能が弱っている人は甘味が欲しくなるものです。甘味イコール砂糖と思いがちですが、私は普段から砂糖は使いません。糖質はいろいろな食材に含まれているので、意識しなくても十分に取れているからです。甘味が欲しいときには果物やハチミツで代用しています。
食材を活用することでつらい症状をやわらげることもできます。たとえば、セロリです。セロリは、安土桃山時代に豊臣秀吉が朝鮮に出兵したおり、日本に運ばれてきたという説があるほど古くからある野菜です。当時は「オランダみつば」と呼ばれていましたが、独特の香りや味が受け入れられず、一時は忘れられていました。
日本人に受け入れられるようになったのは、カレー、シチューなど洋風料理の香りづけとして広まったからです。セロリの茎には体の熱を取り、頭に上った気をおろす働きがあります。私自身、つい最近、40度の高熱が出たのですが、生のセロリをたくさん摂ることで熱を下げることができました。
また、頭痛やストレスから生じる血圧上昇には、セロリの独特の香りが効果的です。さらに、不安や緊張をやわらげる働きもあります。自分の体の声に耳を傾けて、日々の食生活にほんの少し気を配るだけで、心身ともに万全の状態で仕事にのぞむことができます。 毎日の食事と生活に取り入れていただければうれしいです。
by高遠 智子 :オーガニック薬膳料理研究家
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