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岡嶋二人『クラインの壺』

2016年02月24日 20:59

オモテでは、時々オススメ小説マンガ、映画なんかを紹介してみようかな、と。
今日は、俺のオールタイムベストの上位に絶対入る『クラインの壺』(講談社文庫)です。

岡嶋二人は日本では珍しい共作作家で、徳山諄一と井上泉(現・井上夢人)の「おかしな二人」をもじったペンネーム
本作は、その「岡嶋二人」名義の最終作で、たぶん最高傑作です。

岡嶋は(井上著『おかしな二人』によると)ストーリー展開とアイデア出しを主に徳山、味付けと執筆井上、という分業体制で制作をこなしていたらしいですが、本作はほぼ井上1人で書かれています。
岡嶋がミステリを書いていたのに対し、この作品はミステリとSFの境界線を漂う……イヤ、ミステリとSFを一緒に貫いてるような作風になってます。
ミステリ色の強いSFサスペンス、と言ったら近いかな。

究極のヴァーチャル・リアリティ・ゲームシステム開発したイプシロン・プロジェクト社に、ゲームの原作を提供した上杉彰彦は「原作者なんだからゲームテストプレイに参加して」と要請を受け、テストプレイヤーとなって開発に参加します。もう1人のテストプレイヤーアルバイトで参加した高石梨紗というカワイイ子。
プレイを続けるうちに仲良くなる2人ですが、なんとその梨紗が突然、謎の失踪。
上杉は梨紗の友達、真壁七美と一緒に消えた梨紗を追うことになります……。

俺は「新潮ミステリー倶楽部」というハードカヴァーのシリーズで読んだんですが、発行当時(1989年)にヴァーチャル・リアリティって概念や言葉自体は決して一般的ではなかったです。
スキな人だけが話題にしてたような感じでした。

衝撃でしたね、素直に。「参りました!」って思った。

コレ読んだあと、台所で使う「なべつかみ」を、銀色の奴に替えて(笑)今でも使ってるくらいハマりました。

「オモテ」と「ウラ」があるのはココと同様……(笑)で……あ~、ネタバレするから詳しく書けないっ!!
ん~。中盤あたりからかなりの確率で、先が気になって睡眠時間削る人が続出すると思います。

ワクワク、ドキドキは保証しましょう。ハラハラもある。SF的な「センス・オブ・ワンダー」さえもある。

スゴい作品です。これから読む人が羨ましい。

あ。
俺は、ケネスモデルになったのは世界まるごとハウマッチに出演してた頃のチャック・ウイルソンじゃないかな、って思ってるんですがどうなんでしょう?(笑)

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