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プール

2014年08月02日 00:05

プール

ある日、男が家に電話をかけると、彼の妻ではなく知らない女が電話を取った。不審に思った男は彼女にたずねた。「誰だね君は?」「私はこの家で働いているメイドです」「うちではメイドは雇ってはいないはずだが…」「ええ、でも私は今日奥様に雇われたばかりなので、ご主人にはお会いしていません」夫はまたかと思い、苛立ちを隠さず言った。「妻に替わってもらえるかね?」「奥様は今寝室で休んでおいでです。いっしょにいる男性がご主人だと私は思っていたのですが…」それを聞いた男は何かを考え込むようにだまり、そして思いきったように言った。「君は5万ドルほど稼いでみる気はないかね?」「…どうすればいいんですか?」男は静かに言った。「電話台の下の引き出しに拳銃が入っている、弾は既にこめられている。君がやるのは二階へ行って二人を撃ち殺すことだ。できるかね?」「分かりました。やりましょう」受話器が置かれる音がした。そして階段を上っていく足音が聞こえた。そのあと2発の銃声が聞こえた。そしてまた階段を降りる足音がした。メイドが電話に戻った。「もしもし」男はほくそえんで訊いた。「やってくれたかね」「ええ、死体はどう処分しましょう?」「そうだな、プールにでも放り投げておいてくれ」「プール?家にはプールはありませんが…」「…」二人の間で長い沈黙が続いた。そして最後に男は訊いた。「ええと、お宅の番号は123-9876ですか?」

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