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【良い子の諸君】ん?。

2013年03月16日 21:36

卒業した中等部校舎を後にして、帰路に着こうとする、茜、小春千歳

…に通せんぼする東原琴。
あらあらこんにちは~」
「あ。こんにちはですっ」
挨拶してそのまま歩こうとするが、行く手を遮ぎられる。
あらあら、もう帰っちゃうの~?」
ニコニコする琴。暗に「まだ帰るな」と言っているのだった。
「校舎とのさよならは済ませたよ?」
小春が答える。なにしろ実感あるさよならをしてきたのだから。
琴は黒い微笑みをやめず
「安心のあとの苦しみが、世の中にはあるものよ~」
「琴さん、どうかしたんですの?」
琴の何かを察する千歳

「…中学卒業式。それは希望に溢れる明日への旅立ちの最初の日」
不意に語る琴の声色がワントーン落ちている。

……そんな日に悲劇は訪れた。
災害
無慈悲なソレは希望に満ち溢れてた彼らを無遠慮に呑み込んだ。
天国から地獄への転落。希望の直後の終焉。

「…それって、被災地で琴さんが聴いた話ですか?」
「そうよ~」
「で。琴さんは何がしたいのです?」
具体的に尋ねる茜。

「まだ校舎から離れるべきじゃないわ~」

卒業希望を抱いて各々の家路に着いた彼らは、その自宅近くでソレにやられたのだ。
もしすぐに帰らず、校舎に留まっていたら……。

「アホー!!!」
三人同時ぱんち。
「きゃー」

「ここは山側だよ。海は近くないよっ!だからソレは来ないよ!」
「だから例え言葉だってば!ひょっとしたら何か起きるじゃないのっ」

「琴さんの言わんことはわかるですっ。しかし、用心し過ぎですっ!」

「うー!」
琴を置き去りに帰ってしまった三人。


……。
「16時」
結局、何も起こらなかった。安心と後悔がない交ぜになったような琴だった。


ちゃんちゃん

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