- 名前
- たかふみ25
- 性別
- ♂
- 年齢
- 40歳
- 住所
- 山形
- 自己紹介
- 基本的にメル友募集ですがご近所ならば逢いたいぜ。 クリエイター気取りのバカです。 ラ...
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【良い子の諸君】ん?。
2013年03月16日 21:36
卒業した中等部校舎を後にして、帰路に着こうとする、茜、小春、千歳。
…に通せんぼする東原琴。
「あらあらこんにちは~」
「あ。こんにちはですっ」
挨拶してそのまま歩こうとするが、行く手を遮ぎられる。
「あらあら、もう帰っちゃうの~?」
ニコニコする琴。暗に「まだ帰るな」と言っているのだった。
「校舎とのさよならは済ませたよ?」
小春が答える。なにしろ実感あるさよならをしてきたのだから。
琴は黒い微笑みをやめず
「安心のあとの苦しみが、世の中にはあるものよ~」
「琴さん、どうかしたんですの?」
琴の何かを察する千歳。
「…中学の卒業式。それは希望に溢れる明日への旅立ちの最初の日」
不意に語る琴の声色がワントーン落ちている。
……そんな日に悲劇は訪れた。
大災害。
無慈悲なソレは希望に満ち溢れてた彼らを無遠慮に呑み込んだ。
天国から地獄への転落。希望の直後の終焉。
「…それって、被災地で琴さんが聴いた話ですか?」
「そうよ~」
「で。琴さんは何がしたいのです?」
具体的に尋ねる茜。
「まだ校舎から離れるべきじゃないわ~」
卒業の希望を抱いて各々の家路に着いた彼らは、その自宅近くでソレにやられたのだ。
もしすぐに帰らず、校舎に留まっていたら……。
「アホー!!!」
三人同時ぱんち。
「きゃー」
「ここは山側だよ。海は近くないよっ!だからソレは来ないよ!」
「だから例え言葉だってば!ひょっとしたら何か起きるじゃないのっ」
「琴さんの言わんことはわかるですっ。しかし、用心し過ぎですっ!」
「うー!」
琴を置き去りに帰ってしまった三人。
……。
「16時」
結局、何も起こらなかった。安心と後悔がない交ぜになったような琴だった。
ちゃんちゃん
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