- 名前
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- 基本的にメル友募集ですがご近所ならば逢いたいぜ。 クリエイター気取りのバカです。 ラ...
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【良い子の諸君】最終回-03 墓碑
2013年03月06日 21:15
中等部校舎の中庭に、有希はいた。
「ん……」
何も言葉にせず、ただ一点を見つめている。それは例えるならば、墓参りのようなものだ。
そして、その視線の先にある墓碑はあまりにも小さなものであった。恐らく中等部の生徒が普通に過ごしても、誰も気付かないだろう。
しかし、有希は知っている。何故ならば、この墓碑は有希が作ったからだ。
この墓碑の下に死体があるわけではない。
その過去に於いて、ひとりの少女が「消えた」。「死」というよりは「夜逃げ」的な意味が近い。そして、当時の生徒達からはその事件の記憶も消えた。ファイルを削除したかのように。
しかし、有希のごみ箱は空にならず、記憶を復元できた。
墓碑を撫でる有希。
「……さよなら、なんだよっ」
一瞬だけ、小春のような笑顔を出した有希。
この墓碑の主は、有希にとってかけがえのない人物だったのだ。
そして学園を去るいま、もはやここを訪れる機会はない。
だから、別れを告げに来たのだ。
続く!
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