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ネットの悲しい響く話:時間が足りない
2012年05月02日 09:39
本当は書くべきじゃないのかも知れんが、久々に堪らない思いになった。
一応、医者の端くれとして働いている。
こういう生業だから、人の死に接するのは少なくない。
ちょっと前、診察に訪れた若者に余命宣告をしたばっかりだ。
俺:誠に申し上げ難いのですが…。
男:はい。
俺:…肺癌です。しかも大分進んでいます。はっきり言います。1年もつかどうかです。
男:…ガ、
俺:?
男:ガーン……なんちって…。
俺:…け、結構余裕ですね…。
男:ええ、まあ…。
聞けば酒も煙草もやらないというのに、何とも不憫な巡りあわせであった。
ただ、衝撃的な事実を告げられても、この歳でこれ程冷静なのにも驚いた。
男:ああー、参ったな。
俺:……。
男:あの、入院とか治療の開始とかすぐ始めないといけませんかね?
俺:ええ、それはもう。すぐにでも取り掛からないと。
男:うーん。1ヶ月待って頂けないですか?
俺:何かあるのですか?
男:母親が、来月楽しみにしていた旅行があるんです。俺がこんなんだって知ったらとても安心して行けないでしょうし。
俺:そうですか。ですが猶予もそうないのが現状です。
男:ですよねえ。参ったなあ。そういや、再来月は父親の誕生日なんですよ。
俺:……。
男:参ったな、ほんと、参った…。時間全然足りないですよ。まだ、親孝行してないんですよ。
段々と声が震えてくる。
男:両親にいつか生でオーロラ見せてやるって約束したんですよ。このまんまじゃ、孝行どころか最悪の親不孝者じゃないですか…。
他にも兄弟にああしてやりたかった、友人にこうしてやりたかった、職場で迷惑かける等自分の身の上よりもあくまで周囲への迷惑が申し訳ないと悔やんでいた。
最後の方は泣き崩れてしまった。
こんな状況ですら、他人の事ばかり考えられるような若者が、どうして死を目前とせねばならないのだろうか。
どれだけ体験したって、決して慣れるもんじゃない。
そして、こんな若者1人救えない俺の不甲斐無さに一緒に泣いてしまった。
悲しいけど感動するお話です。今できることは、今やっていきたいと思います。
このデジログへのコメント
余命宣告されたら、医療行為は、全て拒否して、自分の好きな様にして、医者を、ギャフンと言わせます
管理貞操帯さん:強いな~
私は余命宣告されたらショックで暫く何も手につかないだろうな。
さあさん:ほんとですね。どんな末期くらいの癌でも治せたらいいのに
んだもしたんさん:私もそうなる。喘息判明した時がそうでした
父のガンが急に悪化して3週間で亡くなったとき逆の意味で後悔した。いろいろやってあげたかったって。
ゴローさん:どちらかというと逆の方がきくかな?
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