破傷風

子供の頃、漫画やドラマで主人公が小さな傷から破傷風になって死んでしまうようなものを何度か見ました。
でも、今の日本で破傷風になったという人に会ったことはないですし、破傷風で死んだという人の話を聞いたこともありません。

ですが、今を去ること8年前、ちょうどカンボジアでの仕事が始まる頃、「あーゆーところは衛生状態がよくないから予防接種をしないと」ということになりました。
したほうがいいものはいろいろあるわけですが、全部したら大変なことになります。結局、A型肝炎と破傷風の予防接種をしました。

その後、カンボジアが一度きりではなくなって継続することになりました。A型肝炎と破傷風のワクチンを、間隔をあけて何度か接種しておくとしばらくもつ、ということでした。
しばらく、というのはモノの本によって違うのですが、A型肝炎は10年～30年、破傷風は5年～10年というような感じでした。
私が予防接種してもらったクリニックでは、予防接種の記録を渡してくれて、それによると、A型肝炎は10年後、破傷風は4年後、にまたすればいい、ということでした。

さて、時は流れ、A型肝炎や破傷風のことなどすっかり忘れ、つい先月もカンボジアに（別の話で）行かされたわけですが、その時も全然思い出しませんでした。

ですが、今回、被災地に行くかもしれない、という話になったら、上司が「破傷風は被災地には蔓延しているから、予防注射した方がいいぞ」といいました。
現地の人やボランティアの様子を見る限りではマスクをしておけば大丈夫そうです。被災地に行っても私たちは瓦礫の撤去のような肉体労働はしないはずなので、あとはせいぜい長靴を用意すればいいのではないかと思っていました。
無視しようかとも思ったのですが、「何もしないで現地に行くことになり、しかも、万一破傷風にでもなったら何を言われるかわからない」と考えて破傷風の予防接種のことを考えたのでした。

8年前にもらった予防接種の記録紙がどこかにあったよなぁ、と探したら、ボロボロになりながらも発掘されました。
それをみると、2003年11月の記録で、A型肝炎が10年後、破傷風が4年後、と書いてありました。
別のいいかたをすると、A型肝炎のワクチンはまだ消費期限内ですが、破傷風はもう3年半前の2007年11月に切れていたのでした。

そこで、仕方なく、クリニックに行くことにしました。予防接種して被災地に行かないと丸損ですが、今の情勢だと「明日から行け！」と言われる可能性も０とは言えないので、行ける時に行っておくことにしたのでした。

ここまでが、すごーく長い前振りです。

で、クリニックに行って、ボロボロになった紙を出して（ああ、恥ずかしい）破傷風の予防接種を依頼し、待つこと数分、呼ばれました。
ここで衝撃の事実を知らされました「破傷風は、当時とは基準が変わり、10年しなくても大丈夫となりました。ですから2013年11月までに次の接種をすればいいことになります。でも、今予防接種しても問題ありません」ということでした。

こういわれて「ああ、そうですか。失礼しました。では、また2年後に参ります」と返事する勇気は私にはありませんでした。
「わかりました。でもせっかく来たので破傷風をお願いします」と言って、予防接種してきたのでした。
ちなみに、予防注射する人が「破傷風は日本にもありますから」とフォローしていたので、私も思わず「被災地にもいくかもしれないので」と言ったら、嬉しそうに？「ああ、被災地はたくさんありますね」といってくれました。
社交辞令なのかどうかはわかりません。

そんなわけで、あと10年は破傷風の心配をしなくてもよくなった、小心者のみんきーでした。

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本日の画像は、カンボジアつながりで、カンボジアのベンメリア遺跡です。先月仕事でカンボジアに行きましたが、唯一観光したのがこの遺跡見物です。
なんでも、「Two Brothers」という2匹の虎の兄弟の映画スタッフがここでも撮影をして、その時に作った木道が残っています。2－3年前にこれができて見物しやすくなったそうです。
…と聞いたのですが、今ぐぐったら、Two Brothers の公開は 2004年なのでちょっと年代が合いません。違う映画なのかもしれません。
ググったら、ベンメリアは天空の城ラピュタのモデル、だとかあってびっくりしました。ラピュタを連想するものは何もなかったです。