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恋に恋して・・

2009年03月10日 10:13

松任谷 由美の歌に「あの日に帰りたい」というのがある。
   青春の後姿を、人は皆忘れてしまう。
   あの時の私に戻ってあなたに会いたい・・
高校生当時私はとても内気で、好きだ!と口に出して言えなかった。それでも他のカップルを見て、いいなあ・・と憧れたものだ。
思い切って電話をかけても、結局言えず終い。それで最終手は、下駄箱に手紙を入れて・・いわゆるラブレターである。
高校卒業して就職のために東京へ上京をして2年過ぎた頃、クラブの後輩の女性から「会いたい」と電話をもらった。
それまでに手紙のやり取りは何回かあったのだが、実際に会いたいと言われるとドキドキして、待ち合わせの池袋へ向かった。
お酒を飲みながら聞かされた話は、彼女失恋話だった。手首切ってまですがった相手だったと言う。
失恋の痛手から立ち直りかけの頃の誘いだったようだ。
多少酔いもあり、池袋西口公園(今は跡形もないが)のベンチに二人腰掛けた。しばらくすると彼女は私の肩に頭を寄せて。
私はまだピュアな性格であったのでどうしていいのかわからず、ただ遠くに見えるラブホテルネオンを見つめて、一言もしゃべらず時を過ごした。
30分くらいした頃に彼女は立ち上がり、「今日はありがとうございました」そう言って二人駅に向かった。
もし、あの時彼女の方を抱いていたら。もしあの時、「オレが君の心の痛手を治してあげるよ」そう言えたら・・今頃は全く違う人生を歩んでいたのではないかと思う。
この1年後、私は別の女性結婚した。21歳の春だった。
この頃ソングライターを目指していた私はいくつかの唄を作った。その一つを思い出しながら書いてみよう。

日差しの暖かい日曜日、二人で行った井の頭。

橋の上から池を眺め、「あれに乗ろうよ」とボートを指差した

信じたくは無いけど、昔からの言い伝え

二人でボートに乗ると恋が叶わない

私それが怖くて首を横に振ったけど

私の手を引いてあなたはつれていった

信じたくはないけど別れの言葉

私の肩に置いた貴方の手震えてる

無人駅のホームに立つ貴方を後にして

ボートの言い伝え噛み締めていた


お粗末さまでした。

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