ひみつ、めいて・・・

服を
着る

ひとが
服を
着る

美しい
ひとが
服を
着る

そのみっつが
ぜんぜん、
ちがうものだとして、

たとえば、
宮沢りえが
そのおりおりに、
まとってきた
服は、

さまざまな偶然が重なって
彼女めがけて
さまざまな方向から
やってくる

そして、
彼女の存在そのものと、
一体となって
そのとき、
その場限りの
あでやかな
花と咲く

でも

宮沢りえ
も、
お風呂に入る
トイレにも
レストランにもいくし、

ときどき
か
いっつもか
よくわかんないけど
せっくす　も　する。

そのときたぶん
彼女は
裸

なんだろ

それはたとえば
交差点の
真ん中で
たまたま、
ごっつんこする
そんな
刹那的な
出会いなんぢゃないか、

なんて。

だからまぁ、
服のほうだって、
できれば
より美しいかたに
まとってほしい
そう思っているのではないか、と

夕暮れまぢか、
ボクはキミに
何をどう、
伝えるべきか
手をこまねいているうちに、
キミは窓外の暗闇へと消えていく

そしてボクは
ボクの言葉が届いたかどうか、
を確かめに、
キャビネットの上に
目を走らせて
ほ。
なんて、ひと息をつく

ひとことも
かわしてはいないのに
それはどこか
秘密めいていて・・・

とてもしあわせな
７６分の
モノローグが
彼女にも
とどきますよう・・・