網戸の風。

今日は、こないだ修理から戻って来たカメラにフィルムを入れて、写真を撮っていた。

といっても家のなかで。

この家のトイレのデザインが気に入っている。
昭和40年代に作られた建物で、トイレも当時のままなので、そのデザインも昭和40年前後だろう。用を足して水を流すと、最新式のトイレでは考えられない位の水量が一気にじゃーと大きな音を立てて流れる。水を大切にしてくれないトイレである。あまりに流れる水量が多いので、タンク内にワイン瓶を一本沈ませ、ほんの１?だけ水を節約してはいるけど、あまり意味を成していない気もする…。

室内の西側にトイレはある。だから午後になるとトイレはとても明るくなる。午後の3時から4時頃はウチのトイレがいちばん輝く時間帯である（但し季節は今くらい）。夏休みも終り、午後のこの辺は子ども達の遊ぶ声もなく静かだ。そんなときに扉を開けて少ししゃがんだ姿勢で僕はトイレを撮る。便器と同じ高さから、次は少し高く自分の目線から…何枚も撮る。こんなにお洒落でカッコイイ便器はそうそう無い。便座カバーも今は濃い目のベージュ（ココア色っぽい）だから、上品でシンプルこの上ない。といっても白黒でしか写真は撮らないので、あまり関係ないのだが。。

ひと通り気に入ったカットを撮った後、やっと満足気にトイレの扉を閉める。これでメイン撮影終了。あとは、鏡や洗面台を何枚かついでに撮って終り。トイレほど気持も盛り上がらない…。

......

どこかの家からテレビの音がこの夜中なのに聞こえて来る。クイズ番組か何かの様だ。ああいう日本でやっているクイズ番組は外国でも同じように毎日毎日やってるのだろうか？最近やけにああいう番組が増えて来た気がする。

遠くの方からはバイクと自動車の走り去る音。
そして秋の虫たちの声。

虫が入らないよう網戸をして、窓を開けている。
そこから入ってくる風が、今夜は心地いい。