痛い想いが忘れられなくて…

今もなんとなく軽く痛む思い出がある｡その子は､自分がｱﾊﾟﾚﾙの営業を外れて営業役員の秘書的な仕事に配転になった時に入れ違いで自分の所属していた部署に短卒で入社した｡自分が営業事務を統括する立場だったので､折りにふれては質問を受けたり､指導したりと言う関係｡積極的な子で､頻繁にやってきて自分の管轄外の事まで相談を受けた｡好意をもたれているのではと誤解する位に｡もちろん自分も可愛がったが｡周囲から怪しまれる位に｡長身で当時まだ新人だった松嶋菜々子に雰囲気がよく似ていた｡2年程して上司とぶつかり､自分で希望して営業に戻った｡そこで彼女とまた一緒に｡彼女はｺｰｽを外れた自分のことが､とても心配なようだった｡事務職を繁忙期応援に売り場に派遣する企画があり､彼女は自分の担当店を希望してくれた｡実はその売り場の派遣販売員は当時少し付き合っていた子で､でももうあまりうまくいっていなくて｡ただ､ふたりはお互いに感じることはあったかもしれない｡手伝ってもらったあと食事に誘った｡そのあと､物足りなくて更に｡彼女が案内してくれたのは､みなとみらいのﾎﾃﾙのﾗｳﾝｼﾞ｡一望の港､ﾍﾞｲﾌﾞﾘｯｼﾞの夜景がふたりを包んで…