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そこに鈴が落ちていた

2008年06月06日 05:52

昔の会社の同僚の話。彼は高校時代山岳部で。大学時代にその仲間で丹沢にトレッキングのキャンプに行くことになり。待ち合わせにひとり来ない。家に連絡をとったが連絡がつかない。携帯もない時代で。行き先のキャンプ地は知っていたからあとでひとりで追い掛けてくるかもしれないとあきらめて出発。夕食の時間とうとう来なかったな、急用が出来たのかなと皆で。その夜更け、ふと目を覚ますと「ちりんっ、ちりんっ」鈴の音。その彼は、登山の時いつもリュックに鈴を付けていた。その鈴の音に違いない。「ちりんっ、ちりんっ」それが徐々に近づいてくる。「ちりんっ、ちりんっ」皆、目を覚まし、あいつこんな時間に追って来たのかと。「ちりんっ、ちりんっ」とうとう鈴の音はテントの前まで来てそこでやんだ。恐る恐る外を覗くと、誰もいない!錯覚の筈もなく皆言い様のない不安に駆られたまま、確認の手段もなく一晩を明かした。翌朝テントを片付けていると地面に光るものが。それは彼の鈴!!…あとでわかったことだが彼はその日連絡する間もなく急用が出来たらしい。そして、深夜バイクを走らせていて事故死。あの時間に。それにしても鈴は…ありがちなつくりの怪談とも言えるし、それが本当に間違いなく同僚の身に起こった事なのか、又聞きの脚色なのか分からないけど…

このデジログへのコメント

  • たけ 2008年06月06日 19:14

    まあ、よくある怪談のひとつの類型って気もするけど。まゆつばものかな。ただ、もっとリアルな話が…

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