趣味は読書、小さな回顧

『「ぴあ」の時代』という本を、読んだ。
僕が映画を見始めた頃にはもう「ぴあ」はあった。
まだ、ビデオが無いか、或いはあっても所有していない時代。
映画に対する興味は、少しずつ広がって、ロードショー映画から、名画座の二本立て、三本立てに。
時にはミニシアターへ。
それとは、別にピンク映画を見るのにも、お世話になった。
「ぴあ」を片手に、目的の映画が掛かっている街へ。
その映画が無ければ絶対行かないような所もあった。
日暮里、自由が丘、飯田橋、三軒茶屋、大泉学園、大船、平塚…。
もちろん、どこに行ったか、全ては覚えてはいない。
ビデオが無かったので、索引で見たい映画を探し、その映画が掛かっている劇場を見つけるのだが、神奈川に住んでいて、埼玉や千葉といった所でしか掛かっていなくて、本気で遠出しようかと考えながら、断念したことも何度もある。
その頃から、映画ばかりで、コンサートや演劇などには、まるで関心が無かったようである。
「ぴあ」の終刊がいつなのか、はっきり覚えていないが、それに前後して、ビデオの普及もあったが、劇場で映画を観ることから、足が遠退いてしまったように思う。
今は手元に無いが、黄色い表紙の最初の「ぴあシネマクラブ」を手に入れて、折に触れて見たものである。
「ぴあ」が無かったらこんなに映画に、惹かれなかったかもしれない。
及川正通の表紙のイラストも良かった。