武術的＝女性的。「委ねるシアワセ」

私は。
こう見えましても少林寺拳法の黒帯、２段です。
道場通いをやめてから、もう２０年以上が経過しましたが、
自己流で修行は続けておりまして。今も、公園でジャージ姿で、
一人えいえいと練習してたりします。

少林寺拳法は。
合気道などと同じく、スポーツ試合で勝つ為のものではなく、
実戦護身術です。ゆえに反則というものはなく、目も金的も狙う技があり、
それらへの対処も学びます。

というわけで、今回の画像。
「悪寒や吐き気を伴う苦痛」と表現されておりますが、正にそう。
金的を攻撃された時の苦痛は、文字通り「苦しい＆痛い」であり、
他のどの部位を攻撃された時とも異なります。

金的攻撃によるダメージの大きさは、「男子最大の急所」の名に恥じません。
女性の皆様、好奇心を刺激されることとは思いますが、
決して冗談半分でも、金的を攻撃なさらぬよう。
くれぐれも。ええ。ほんとに。

（だからこそ、暴漢に襲われたなどの「本物の実戦」であれば、
むしろ推奨できる技術なわけです。自分の身を、命を守る為に）

そして。
そういう部位であるからこそ。

そこを的確に攻められたら、体格も筋力も関係なく、
一撃ＫＯが確定している、危険な部位だからこそ。
滅多なことでは、他人の手に委ねることはできないのであり。

そう。
そこを委ねるというのは、男性側からの、絶大なる信頼の証し。
そしてまた、男性側としては、
「そんなにも信頼できる人が、今、そばにいてくれている」
という大きな喜びでもあります。

つまり。
武術的思考があると、自分の中でこういう気持ちが錯綜するんです。
「おいおい、私。いいのか？　そんなとこ、触れさせて。危険だぞ？」
「いーんだよ私。この女の人は、敵ではないから。安心していられるから……」

一撃必殺の、自分の最大の急所を、気兼ねなく委ねる安らぎ。得難いものです。

そこで私は思います。
武術とか急所とか必殺とか、物騒な言葉を並べましたけど。
こういうのはむしろ、女性の得意分野というか、
女性こそ強く感じるものではないのかな、と。


無防備な姿で、柔肌を晒す時。

強く抱き締められた時。
優しく頭を撫でられている時。

満たされた後、腕枕されて、まどろむ時。


そういった時に。
「この人は敵ではない」
「何があっても、私の味方。必ず、私を守ってくれる人」
「だから今は、身も心も無防備でいい。何も心配しなくていい……」

もちろん。
こんな文章を、頭の中でつらつらと書いてはいないでしょう。
でも心の中ではきっと、こういう感情が動いている、「感動」している。
と、私は乙女心の奥底を推測します。

なにしろ。
動物には生存本能とか闘争本能、警戒心というものが備わってますからね。
犬でもライオンでも人間でも、オスもメスも。本能ですから、常時必ず機能してます。
（2014.2.27『男がＨの後に「冷める」のは～』、
　2014.3.1『女がＨの後に「冷めない」のは～』も参照）

更に私のように。
武術の経験があれば、後天的に習得したもの（技術面でも精神面でも）により、
その要素は人一倍、強くなります。

それが。
一時だけ大幅に解除されて、無意識に張っていた緊張が解けて（溶けて）、
ふんわりとした気持ちになる。身も心も全て、危険な急所を曝け出して、
裸になっていい、全てを安心して委ねることができる、そんな幸福感。


「委ねるシアワセ」。
武術的であり、そして女性的でもある感覚だなぁと、
思う次第にございます。



☆☆注意！☆☆

長くなってすみません。が大事なことなので、言っておきます。

「なぁんだ。じゃあ金的さえ攻めれば、男に襲われても楽勝なのか」
というナメた考えは厳禁ですぞ。危険だからこそ、金的へ攻撃が飛んだら、
脚を閉じるとか手で庇うとか、男の体はそう動きます。

目に何かが飛んできた時、瞼を閉じるのと同じ。本能的な最速の動きです。
そして、その一撃を防がれてしまったら、もう男側（暴漢）からの手加減は
一切期待できません。

また、命中したとしても、「打撃技術」があまりにもヘタ過ぎた場合、
いくら急所といえど、ダメージは大幅に下がってしまいます。

最初に言いましたように、少林寺拳法には、「金的蹴りの練習」が
きちんとあります。トレーニングメニューとして教本に書かれています。
道場で先生が丁寧に指導してくれます。

野球やテニスでボールを打つのと同じです。しっかりとした技術を
習得してないド素人では、三振・フォルトがオチ。

一億円の宝くじと百万円の宝くじ。「どーせどっちも当たらんだろうけど、
万一当たった時、一億円の方がトクだな」で、一億円の方を買う。
素人の金的攻撃は、そういうもの（その程度のもの）と、お心得あれ。

ですからそもそも、「そういう状況」にならないようにすることが肝要です。
人気のない夜道を歩かない、歩く時は防犯ブザーを常時手に握っておく、とか。
（鞄に入れてたら無意味。いきなり抱き着かれ組み伏されたら終わりです）

金的に限らず、「攻撃」自体が、本当の本当にどうしようもない時の最後の手段。
ムリヤリ大金を賭けさせられた、成功率の低い博打。と、心に留めておいて下さい。
男性だってそうですけど、特に女性は。