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趣味は読書、「人間はすごいな」読了

2014年10月30日 08:29

かぐや姫の「神田川」の二番に、「24色のクレパス買って」という歌詞がある。僕は、子供の頃から、そんなに絵は得意では無い。落書きもあまりしたことはない。
それでも、幼稚園の頃、12色の色鉛筆を買ってもらい、塗り絵をした。
24色「サクラクレパス」や「ぺんてる」の絵の具は、絵を描かない僕にも、とても欲しいと思わせるようなパッケージだった。36色や48色だったら、あらゆる世界が、描ける気がした。もちろん、そんな気がしただけだが。
12色くらいの色鉛筆でも、好きな色がある。その色ばかり、どんどん背が小さくなっていくのだ。
このアンソロジーにも、様々なエッセイが載っていて、各色の特徴があるが、案外著名な筆者のものより、一般の人のエッセイに、琴線に触れるものがある。
気仙沼の「牡蠣の森を慕う会代表」の書いた津波エッセイは、唯一ここ巻で二篇採られている。
特に二篇目の、東日本大震災後の様子を記録した「蝋燭の光でこの手記を書く」は、気仙沼に住んでいた震災経験者の、直後の様子がよく分かる。筆者自身も母親を亡くしている。思い出の品が失われたと、細かく記述されるのは、胸が傷む。あの震災も、時には忘れがちである。自分は、そのくらい薄っぺらい人間である。
さて、他にも、夫の不倫相手に、会いに行き、逆に撃沈してしまう話や、碁好きで、ロクデナシだった亡父の碁盤を母親に黙って売ってしまい、「親不孝もの」と怒られる話、貧しさの中での、思い遣りが伝わる「もっとかわいそうな子」などそれぞれ面白かったが、また、違った時に読んだら、違う作品が印象に残るかもしれない。
このシリーズを、少しずつ集めてみたい。

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