- 名前
- ブルーローズ
- 性別
- ♂
- 年齢
- 62歳
- 住所
- 千葉
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趣味は読書、吾はいかにして読書好きになりしか2
2014年08月18日 00:56
小学校を卒業するまでは、ルパン、ホームズ、少年探偵団、NHKの人形劇の影響で里見八犬伝、他にはタレント本を少し。あとは小遣いは専ら、「週刊少年ジャンプ」に費された。
中学生になって、部活を始めると共に、「ジャンプ」は買えなくなった。当時は、コンビニ自体が無かったし、帰り道に漫画を売っている店も無かった。遠回りして、寄らなければならなかった。
中学生になってすぐに、担任教師の呼び掛けで、クラスの全員が何冊かの本を持ち寄り、学級文庫が出来た。そこで初めて、文庫本の存在を知ったのだ。それは、担任の持つて来た源氏鶏太のサラリーマン小説だったと思う。
体育祭の振り替え休日か何かで、部活の無かった休日に、近所の友人とその友人の友人と3人で、近くの繁華街まで出かけた日、バス停でバスを待つ間から、友人達二人が「遠藤周作がどうの、北杜夫がどうした」などと僕の全く入って行けない文学談義を始め、何だか居心地の悪さを感じていた。
そして、何軒か書店を回り、彼らが小説を選んでいる間僕は、タレント本のコーナーで、「鶴光のかやくごはん」やら「せんだみつおの本」やら「欽ドン」やらを立ち読みして、時間を潰していたのだ。夕方になり、もう帰る頃に友人から、「せっかく来たのだから、何か買ったら?」と言われ、当時その友人が勧めた畑正憲の「海から来たチフス」と多分和田誠のイラストが気に入ったのだと思うが
、星新一の「きまぐれロボット」の二冊を買った。そして、これが文庫本との出会いであり、読書中毒の始まりだったのだ。
畑正憲も星新一も両方面白かったが、何よりもその廉価なことが、一番僕の心を惹きつけたのだ。当時の小遣いが、多分一ヶ月千円だったと思う。その他に、日曜や長い休みに、他校や球場に試合に行く時は、母が運賃以外に、五百円くらい余計に金を持たせてくれていて、それで本を買ってしまい、何度も怒られた。母曰く「何かあった時の為に余計に持たせているので、本を買わせる為ではない」というのだった。
それでも僕は、本を買い続け、読み続けた。それまで知らなかった世界が、一気に開けた気がしたのだ。食事の時にも本を読んでいて、父に酷く怒られた。
運賃を節約する為に、自転車で三駅くらい先の繁華街まで行き、大型書店で一冊の文庫本を、迷いに迷って選んで買う。何度もそんなことをした。中一の最初の技術の時間に作った自家製の本立てに、書店のカバーのかかったままの文庫本が少しずつ増えて行くのは喜びだった。
ある時、やはり一人本を買いに行った時、男の人が、十冊くらいの文庫本を買っているのを見て、自分もいつかはあんな風に、一遍に沢山本を買いたいと思った。しかし、今でもせいぜい一度に一軒で買うのは三冊くらい。必ずカバーを、掛けてもらうので、後のお客さんを待たせたくないのだ。
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