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趣味は読書、「吾はいかにして読書好きとなりしか」

2014年08月15日 23:04

僕が幼い頃、僕の住んでいた町(街ではなく町である)で、買い物に行くには、家の前から突き当たりの通りに出て、右へ行っても左へ行っても大人の足で片道30分以上歩かなけれは、商店が無いのだった。だから、母が一度買い物に出ると、一時間半くらい帰って来なかった。店も、食べ物雑貨を売っているだけで、本などは置いていなかった。読むものと言えば、時々繁華街に行った時に買ってもらう幼年雑誌や、おとぎ話の本だけだった。
小学生になって、小学館の学年雑誌を配達してもらうようにはなったが、家に本らしい本と言えば、「ジャックと豆の木」「日本昔ばなし」「おばけばなし」というような本だけだった。
幼稚園の頃に、「チャイルドブック」という名の小冊子が毎月配達されて来て、よく読んでいた。
あとは、国語教科書、道徳の教科書図書館の本くらいが、僕の触れる本の全てであった。母は読書好きであったが、家に蔵書は無かった。
小学校6年生の時に担任になった先生は、学年で一番恐いと言われている先生で、何か悪戯をすると、課題と称して、漢字百字書き取りとか、計算問題10問とかを出され、翌日それを提出させられた。もちろん、宿題とは別にである。
漢字の書き取りは、手が真っ黒になるし、力を入れて書くので、中指が痛くなり、タコが、出来た。今でもその名残りはある。
結果的に、無理矢理やらされていた書き取りで、漢字を覚えるようになり、それから「国語」が好きになり、読書への興味も増して行ったのである。もしあの時、算数の計算問題ばかりやっていたら、数学が好きになり、理系に進んでいたかもしれない。

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