ダイコクドラッグでピルが入手できたら？

実は、香港では避妊用ピルは、日本で言えばマツモトキヨシやダイコクドラッグみたいな店で簡単に入手できる。

風邪薬や頭痛薬と同じ手軽さで入手できる。値段だって1カ月分1000円もしない。実に手軽だ。

その1000円弱をけちりたい人のためには、平日の昼間に時間を作って政府の健康センターに行けば、かんたんな問診で一度に半年分くらいを無料でもらえる。パートナーが一度、そんなにもらってきて、ぴっくらこいたことがある。

こんなことからは、妊娠中絶で胎児の命を絶ったり、ヤミ医者の堕胎で母体を危険にさらすべきではないと、政府がピルの普及に積極的な様子が分かる。

英国ではコンビニで事後ピルを無料配布しているし…

1980年代のフランス青春映画の名作「ラ･ブーム2」でも、ソフィー･マルソー演じるヒロインに彼氏ができたことを不安がる母に、父が「あの子にはピルも飲ませてる。心配いらん」なんていかにもフランス的な発言が出てくる。それに対して、母親は「なんてことするの？」などとは言わない。言いたいことがありそうだけど、引き下がる。三十数年前のフランスでは16歳の少女がピルを飲むことなんて、ごく当たり前のことだったのだ。

でも、日本ではピルって何だか危ない薬だと思われているよね。1960年代にアメリカで認可されたばかりのものだったらとにかく、1990年代までにピルの副作用など、ちょっと太りやすくなるって程度のものになっている。そして、21世紀に入ってからはその欠点を克服する製品も出ている。

怖くなんてない薬なの。生理不順の治療にさえ処方されるものなんだから。（まあ、事後ピルには飲んだ後、気分が悪くなるという欠点があるのには注意。）

まあ、男の子がニキビ治療に効くという都市神話を信じて、服用を続けたら巨乳になったという笑い話みたいな本当の話を香港の新聞で読んだことはあるけど…

なのに、どうして、こんな便利な薬を日本人は拒否し続けるのだろう？

その一方で、日本のAVでは中出し物がやたらと増えてる。そんな作品に出るAV女優はピル服用してるだろうし、あの業界だったら日本で違法の事後ピルだってどっかで入手してきてるだろうしね…

でも、男ってAVで見たことしたがるでしょ。AVで中出し気持ちよさそうなら、やりたがるでしょ。

そんなんが増える一方で、ピルが普及してないって、怖くない？女性の側からしたら、たまったもんじゃなくない？

ここで、予備校時代に付き合っていたOLが、産婦人科医師会がピルの解禁に強行に反対している、と憤っていたのを思い出した。彼女はそして、その理由はピルが普及すれば妊娠中絶が激減し、産婦人科医の減収につながるからでは、と考えていた。

本当にそうだったら困るよね。

女性が自分の身を守れるように、本来はダイコクドラッグみたいな店でピルを買えて然るべきじゃないのかな、と思う。