- 名前
- ぴーとにゃんこ
- 性別
- ♂
- 年齢
- 51歳
- 住所
- 海外
- 自己紹介
- 首から耳にかけて猫みたいにほおずりして気持ちよくしたげる。香港から家出して、大阪に長...
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「翼をください」と猫に涙した大阪最後の夜
2013年10月20日 22:30
ついに僕の大阪生活の最後の夜が来た。
上町台地のお上品な上本町に住んでいた僕が部屋を引き払った後、最後の場所に選んだのは、ほとんど正反対な感じの西成。日雇い労働者のドヤ街で知られる街だ。
実は、これは僕がつい最近、怒らせてしまった、可愛らしい友達の提案だった。
彼女は西成に住んでいて、僕に西成の魅力を話してくれた。僕もその昔、西成を舞台にした漫画「じゃりん子チエ」が大好きだったから、彼女の気持ちはわかった。(僕は香港では下町に住んでるし…)
なので、僕の大阪生活の最後の数日間、西成を案内してくれると言っていたのだ。自分の飼うきれいな灰色の猫を見せたいとも言ってくれていた。
でも、僕はつまらん誤解から彼女をひどく怒らせてしまった。
ちょっと事情が複雑になってしまって、僕はこちらからは彼女にコンタクトしないことを約束させられた。
彼女はえらく可愛いけど、別に僕は彼女と恋仲になりたかった訳ではない。
ただ、彼女と話すのがとても楽しかったから、いい友達でいたかった。
それこそ、彼女の結婚式に僕が出席し、僕の葬式に彼女が参列するくらいの…
でも、僕は西成に宿を予約したその次の日に彼女を怒らせてしまった。
そして、その宿にチェックインし、夕食に出かけたら、宿の近所でロシアンブルーのような灰色のきれいな猫にじゃれつかれた。僕を見たとたんに、駆け寄ってきたのだ。
僕はやたらと猫好きだから、もちろんうれしくて、しばらくその猫と遊んだ。でも、僕はこの猫によく似た、別の猫に会う予定だった。それを考えると、とても悲しくなって、僕は涙を流しながら、しばらく猫をなで続けた。
変な東南アジア系のおっさんが泣きながら猫をじゃらしてると思われただろうけど、そんなことどうでもいい。変なおっさんならいくらでもいる街だし、僕には洗い流したい悲しみがあるのだから…
そして、安い中華料理屋で夕食を済ませて、宿に戻る途中で通りかかった、一軒の居酒屋で女性店員が「翼をください」を裏返り切った声で熱唱していた。
http://youtu.be/GidX0t0dJZo
そんなお世辞にもうまくない歌は、僕の心を乱した。
実は、西成の友達はある難病を持っている。もしかしたら、短命になってしまうかも知れない人だ。
だから、僕は同情しすぎてしまい、彼女に誤解を与えてしまったのだ。
僕は彼女の「翼をください」という心の声を聞いて、できる限りの支援をしてあげたいと思った。
僕は心理学的に祈りの効用を信じる人だから、まずは、彼女のために祈った。1本上げるのに2分かかる祝詞を彼女のために1000本上げたりした。
僕はそれで押し付けがましくなってしまった。まあ、恋人でもない人がそんな強烈な祈りをしていると知ったら、ドン引きするよね。
でも、僕は別に彼女を抱きたかった訳でも、彼女に一生そばにいて欲しかった訳でもない。
自分の見たこと、聞いたこと、感じたことを話しかけていたかっただけだ…
まあ、大好きな大阪に彼女をオーバーラップさせてしまった面はあるけど…
昨日は、京都を歩いて、いろいろと発見があった。珍しい儀式も見た。嬉しいこともあった。
でも、僕は彼女にそのことを話せないのに気がつくと、とても悲しい気分になった。
自分の感情をコントロールできずに、僕は大切な人とのつながりを無くしてしまったと感じている。
だから、僕は調子外れの「翼をください」を涙をこらえながら、最後まで聴いた…
宿に帰ってYoutubeで色んなアーティストが歌う「翼をください」を聴いて、泣いた。
そして、またいずれ、彼女に気軽に話しかけられる日が戻ることを祈った…
でも、大阪最後の夜に、彼女をこんなに強烈に思い出させることに出会って、涙を流すなんて、彼女は自分のことを僕に覚えていて欲しいんだろうな、とも思う…
僕にとって、大阪最後の夜の思い出は、彼女と一緒に過ごさなかったにもかかわらず、一生、僕の中で彼女の思い出と強烈にリンクするのだもの。
こういうのをユング心理学だと「シンクロニシティー」という。有意義な偶然と言ったとこか…
だから、僕は一生、彼女のために祈り続けたい…
おやすみ、おおさか。
おやすみ、僕の可愛い友よ…
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